約 2,727,822 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/896.html
洋館・プリズムリバー邸 「♪~♪~♪~」 邸宅の一室の中で、紙袋を持ちながら気分よく鼻歌を歌っているのは、ここに住む3姉妹の末妹・リリカ。 「ん~いい匂い。しかもふかふか~♪」 どうやら、いつも言っている洋菓子店の新商品を手に入れたようで上機嫌のようだ。 騒霊が食べ物を食べるのか?と言う疑問については、白玉楼の亡霊少女に同じ問いをしてきなさい。 「さ~て、浮かれてばかりもいれないわね。これをどこに隠すかなぁ…」 どうやら、姉達と一緒に食べると言う選択肢はないようだ。さすがリリカ、狡猾である。 「うーん…あっ、この箱がいいわね。なんか綺麗だし、まさかここに入ってるなんて思わないよね」 綺麗な文様の入った箱の中に、洋菓子=チョコパンを入れるリリカ。 「これでよしっと、あとで食ーべよっ♪」 そう言って、部屋を後にするリリカ。しかし、迂闊にも窓を開きっ放しにしていた事に、気付いてはいなかった。 その迂闊さが、残念な結果になろうとは… 再び部屋に戻ったリリカの見た部屋の様子。 荒らされた部屋。開かれた空っぽの箱。開かれた窓を呆然と見ている2体のゆっくり。 これ以上にない状況証拠、理解したリリカに怒りがこみ上げる。 「うぉらぁぁ!」「ゆ゛ぐえ゛っ!?」 思いっきり、ゆっくりまりさを蹴るリリカ。 「まりさになにするの!?ゆっくりできないよ!」 わめくれいむを冷たい目で睨むリリカ。 「人のお菓子を食べておいてシラを切るつもり…ふーん…」 「ゆ!?お菓子くれるの?ならゆっくりはやくもってきてね!」 「わたしの取って置きを食べておいてそんな口を…蹴り殺してやるッ! こ の ド 畜 生 が ァ ー ー ー ー ー ッ」 プッツン リリカの中で、何かがキレる音がした。 「潰すのは一瞬だッ!それでは私の怒りがおさまらんッ! おまえが悪いんだ!おまえがッ!わたしを怒らせたのはおまえだッ!おまえが悪いんだ! 思い知れ!どうだッ!思い知れ!どうだッ!どうだッ!」 「ぶっ!ぶぎゅっ!!やべでっ!!まっで!!れいぶのはなぢをぎいでねっ!!ゆっぐりぎいで!!」 まだ弁解しようとするれいむを、執拗に、残忍に蹴り続けるプッツンリリカ。 そんな恐怖の光景を見つめるまりさの頭の中は、れいむを助けようと言う気持ちではなく、いかにして自分が助かるかを考えていた。 (もう、れいむはたすかられないぜ。そこでもんだいだぜ!ここからどうやってにげようか? 3たく-ひとつつだけえらびなさい 答え①はんさむなまりさは、このおねーさんをなんとかするあいであがうかぶ 答え②はいってきたまどからにげる 答え③にげられない。げんじつはひじょうである。 まりさがまるをつけたのは②だぜ…れいむはゆっくりしんでね!) ゲスな結論を出し、逃げようとするまりさ。もちろん、それを見逃さないリリカ。 「逃がすかぁぁぁぁ!」 すでに蹴り殺され、死骸となったれいむを逃げるまりさに投げつける。 まりさが振り向くと、投げられたれいむの死骸がまるでスローモーションのように迫ってくる。 (答え-③ 答え③ 答え③)「ゆべしっ!」べしゃ まりさの思考が途切れたのは、れいむの死骸がまりさに激突し、大きな餡子の花を咲かせた瞬間であった。 「あーーーちくしょーーーー!」 「どうしたの?リリカ」「騒がしいなぁ…」 悔しがるリリカ。そこに、騒ぎを聞きつけたのか、姉のルナサとメルランが部屋に入る。 「うあ!え、えっと…そう!ゆっくりよ!ゆっくりが部屋で暴れていたから、退治したの!」 まさか、こっそり取っておいたチョコパンを食べられたとはいえないリリカは、とっさにウソを言った。 まあ、ゆっくりがいたのは事実だが。 「ふーん…まあいいや、部屋を掃除したら、お茶にしない?おいしそうなお菓子を買ってきたからさ」 「あのお店の新商品なんですって!楽しみだわ~」 「それって…あのチョコパン?すぐ片付ける!」 ルナサたちも、あのお菓子を買ってきたようだった。 部屋を早々に片付けたリリカは、すぐに姉達と共に新作お菓子を堪能した。 「このチョコおいしーね!」「わたしはこのビターが好みね」「ホワイトチョコも甘くてハッピーになりそう」 やっぱり一緒に食べるほうがおいしいや。そう思ったリリカであった。 この話には追記がある。それは、ゆっくり達がリリカの部屋に侵入したときに戻る。 「ゆゆ!ひろくておおきいね!」「ここをまりさたちのゆっくりぷれいずにしようぜ!」 窓から侵入したゆっくりは、リリカの部屋を好き勝手に蹂躙する。 そんな中、ゆっくりたちは綺麗な文様の箱を見つけた。 「ゆ!なんだかおいしそうなにおいがするよ!」「さっそくあけるんだぜ!」 舌を使い、器用に箱をあけるゆっくりまりさ。 箱が開いた瞬間、何かが飛び出し、窓の外へと消えていってしまった。 「ゆー…」「逃げられちゃったね…」 あまりにも突然だったため、呆然と見ることしかできなかったゆっくり達。 リリカが戻ったのはそんなときであった。 何故、箱の中身であるチョコパンが飛び出したのか。原因はそれを入れていた箱にあった。 リリカも知らないその箱の正体は、かつて自分達を生み出したマジックアイテムが収められていた箱であった。 本来の中身を失った今でもごくわずかに残っていた魔力と、 昨今幻想郷に出没した、歪んだ饅頭生命体:ゆっくりの存在という影響により、チョコパンにも命を宿してしまっていた。 やがて、そのチョコパンは顔が浮かび上がり、どこからともなく帽子を身に着け、新たなゆっくりとなった。 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりハッピーになってね♪」「ゆっくり…きあつがさがる…」 マジックアイテムの持ち主の影響からか、それらはプリズムリバー3姉妹そっくりになった。 ー後書ー なんだ、この自分設定満載なSSは、とお思いの方、申し訳ございません。 ただ、虹川ゆっくりを流行らせたかっただけです。 虹川ゆっくり話だけなら作れそうだけど、虐待描写を含めると難しい… もう1話を考えてますが、虐待描写の推敲に時間がかかりそうです。 書いた駄文 ゆっくりいじめ系1192 ゆっくりさとり ゆっくりいじめ系1202 ゆっくりプリズムリバー このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1884.html
家に帰る途中で、四匹のゆっくりが一匹のゆっくりを囲んでいるのを見つけた。 囲んでいる側は体当たりをしている。笑っているようなので楽しんでやっているようだ。 基本的にゆっくりは仲間意識が強い。 飢えれば子供を食うし、髪飾りをなくせば仲間から殺されるが、意味もなく同じゆっくりに攻撃するのは珍しい。 興味を持った俺は饅頭共に気づかれないよう静かに近づき、どんなゆっくりがいるのかを確認する。 体当たりをしているのはれいむにまりさ、そして争い事に滅多に関わらない病弱なぱちゅりーとゆっくりレイパーのアリスだ。 そして、囲まれているゆっくりは星形マークの入った緑色の帽子に赤い髪… 見たことのないゆっくりだ。 大きさはどれもソフトボール程、同じ大きさの四匹から体当たりを受けているあれは皮はまだ破けずに体が汚れているだけ。 同じ大きさのゆっくり四匹に囲まれているのに、いまだに皮が破れていないのは凄い。 それとも相手が痛めつけるのを目的に手加減でもしているのだろうか? とりあえず一気に近づいて、四匹から髪飾りを奪い取る。 こうすれば逃げないので俺はゆっくり話ができる。向こうはとてもゆっくりなんてできないけどね。 「おじさんなにするの!」 「まりさのぼうしをいそいでゆっくりかえすんだぜ!」 「むぎゅぅぅぅぅぅぅ!」 「ぼうしをうばうなんてほんとうにいなかものね!とかいはのありすにあやまってね!」 案の定騒ぎだすゆっくり達。これがないと大変な事になると本能で理解しているから必死である。 「ごめんごめん、ちょっと君達から話を聞きたくてね。ちゃんと話が終わったら帽子は返すからね」 「そんなのしらないよ!」 「ぼうしをかえさないおじさんはゆっくりしね!」 「ばかとはなしてもじかんのむだよ!」 「いなかものはさっさとぼうしをかえしてどっかいってね!」 「ちゃんと話してくれたらお菓子をいっぱいあげるから駄目かな?」 「「「「ゆっ!?」」」」 「ほんとうにおかしをくれるの!?」 「おかしほしいんだぜ!」 「ついでにほんもほしいわ!」 「しょ、しょうがないからきいてあげるわよ!」 「いいかな?」 「「「「ゆっくりしつもんしてね!」」」」 「うん、ありがとう。じゃあ早速だけど、君達はなんでその子を虐めてたのかな?」 「これのこと?」 俺が指さしたゆっくりをれいむが踏んづける。踏まれている奴は怖いのか、先程からずっと目を閉じて震えている。 「こいつはクズだからいじめていいんだぜ!」 「クズって… 君達と同じゆっくりじゃないか」 「こんなクズととかいはのありすをいっしょにしないでね!ありすのまむまむにまったくかんじないふかんしょうのやつといっしょにされるなんてふゆかいだわ!」 黙れよレイパー。 「ばかなおじさんのためにせつめいしてあげるわ。それはめーりんていってね、からだがじょうぶなだけのやくたたずよ」 「役立たず?」 「しゃべれないしいっつもねてばかりいるんだよ!」 「まりさがみつけたやさいをたべようとしたらじゃましてくるいやなやつなんだぜ!」 「かわがじょうぶだかられみりゃにもたべられないからおとりにさいてきなのよ!」 「ま、かこうじょうにすらみすてられてるからそれだけでくずってよくわかるわ」 「加工場にねえ…」 加工場は捕獲及び持ち込まれたゆっくりを研究し、様々なゆっくり関連の商品を作っている。 最近では数が足りないのでゆっくりの養殖までしているようだ。 とりあえずそれが本当かどうかを確かめる為に、れいむに踏まれているめーりんを帽子を持っていない左手で抱き抱えた。 「おじさんそんなのどうするの!」 「はやくぼうしとおかしをもらいたいんだぜ!」 「とりあえず加工場にすら見捨てられたっていうのが気になってね。こいつを連れていこうと思うんだ」 「そんなことしてもむだなだけよ!」 「いなかものはじかんをむだにするのがすきなのね」 「ま、すぐ終わるさ。君達も一緒にくるといい。これを連れていったら帽子を返してお菓子をあげるよ」 加工場の名前を出したらついてこないと思ったのだが、帽子の為かすぐに四匹は一緒に来ると言った。 加工場への道中は、わりと大変だった。 体の弱いぱちゅりーは普通に歩く速度だとついてこれず合わせねばいかなかった。 それでも何度か中身のクリームを吐き出し、大丈夫かと聞くとその度に「自分は馬鹿で体が丈夫なめーりんと違って頭がいいから仕方がない」と言い訳をした。 れいむとまりさは足にまとわりつき、ニヤケ顔で「「かこうじょう!かこうじょう!」」と連呼していた。こいつを怯えさせたいのだろう。 そしてありすだが、こいつは自分がどれ程素晴らしいのかを語っていた。 自分の子供を授かる事のできたゆっくりは幸せだの、どれだけ素晴らしいテクニックを持っているのか見せてやりたいなど。 そしてそのテクニックで感じないめーりんは不感症のクズだと何度も言っていた。 そして、左手に収まるこいつは何度か暴れた。叩かれようがつねられようが、何度も何度も。 それは周りにいる四匹に対して、付いてこないでと伝えてるように思えた。 もしかしたら俺の狙いに気づいているのかもしれない… ぱちゅりーに合わせた為に予定よりも時間がかかったが、漸く加工場に着いた。 「これでクズとおわかれだね!」 「でもクズだからすぐおいだされるんだぜ!」 「そうしたらまたわたしたちのあそびどうぐにすればいいのよ!」 「それでしかやくにたたないからしかたないわね!」 そう言いながらゆっくり達は楽しそうに笑った。 俺は職員に指定された場所に髪飾りを置き、声をかける。 「ここに髪飾りは置いとくから自由に取ってな。お菓子を今持ってくるから」 「わかったよおじさん!」 「はやくおかしをよこすんだぜ!」 「ほんももってきてね!」 「とかいはのありすにふさわしいおかしをもってきてね!」 四匹がちゃんと入ったのを確認して、加工場の職員と一緒に檻を閉めた。 「「「「ゆ!?」」」」 「おじさんなんでしめるの!?」 「ゆっくりだすんだぜ!?」 「おかしは!?ほんは!?」 「いなかもののくせにだましたの!?」 すぐに騒がしくなるゆっくり達。これでやっと俺の苦労も報われる… 「はい、そうです。俺は君達を騙しましたよ」 「なんでそんなことするの!」 「なんでって、良いじゃないか。君達は加工場に引き取ってもらえるクズじゃない優秀なゆっくりなんだろう?ならこうやって役に立てよ」 「い゛や゛だよ゛ぉぉぉぉぉ!!」 「ごっがら゛だじでぇぇぇぇ!!」 「嫌です。諦めて死ぬまで加工場で暮らしてね~」 抱えてるめーりんは悲しそうに檻の中の四匹を見つめている。あいつらに虐められてたというのに、優しい奴だ… 「わかったわ!めーりんがぜんぶわるいのよ!」 はい? 「めーりんがわたしたちをわなにはめたのよ!」 目の前で展開される超理論。俺は何も言えずに黙って聞くしかなかった。 「ほんとうにしょうねのくさったやつだぜ!」 「わなにはめたクズめーりんはしね!」 「このゆっくりのかざかみにもおけないクズ!」 「ゆっくりのたれじんでね!!」 ひたすら続く罵詈雑言に、こいつは泣いていた。 声を出せないから、必死に行動で逃げるように伝えていたのに… 俺に叩かれつねられ、痛い目にあってもこいつらを逃げるように伝える為に暴れた。 何度も何度も、暴れる度に痛い目にあい、四匹に悪あがきと笑われ、それでもこいつは危ないから付いて来るなと伝える為に暴れたのだ。 そして、今は責められている。 助けようとしたこいつに、あいつらは全てこいつが悪いと言っている。 だから、俺は… 檻を蹴り飛ばした。 中にいたこいつらにとっては恐ろしかっただろう。 逃げ場のない檻で、何度も何度も蹴られる。 振動、音、全てが恐怖を伝える。 「や゛め゛でぇぇぇぇ!」と叫ぶ声も聞こえた。 「だずげでぇぇぇぇぇ!」と叫ぶ声もちゃんと聞こえた。 それでも止めない。ずっと、ずっと、俺は蹴り続けた。 やめたのはこいつらが中身を吐き出し、気絶してからだ。 近くにいた加工場の職員に謝ると、気にしなくていいと言ってくれた。 めーりん種と他のゆっくりを連れてくる人間は大抵同じことをするらしい。 そして、抱えていためーりんは… 眠っていた。 先程れいむが言っていたよく眠るというのは本当らしい… なんでこいつの為に怒ったのか馬鹿馬鹿しくなったが、起こすのもあれなのでそのまま寝させておく。 そして、加工場の職員にこいつについて簡単な特徴をいくつか聞いた。 喋れない代わりにゆっくりとは思えない程知能が発達しているとの事。 やってはいけない事をちゃんと教えさえすればちゃんと守るらしい。 また、人間の畑から野菜を盗もうとするゆっくりを邪魔をしたりする事もある。 その事からゆっくり業界からはブリーダー泣かせという異名があるらしいが、 それ程数がいないため飼っている人間は極僅からしい。 まぁ、そこら辺は飼ってみればすぐにわかるだろう。 あと、めーりん種はゆふらん種を育てることが多いとの事でゆふらんの子供を貰った。どんな風に育つのかが楽しみだ。 最後に、めーりん種はどこでも寝るわけではないらしい。 安全で、安心できる場所でしか寝ないそうだ。 ずっと眠っているこいつを抱えたまま、俺は家を目指す。 同じゆっくりから嫌われているこいつとの生活はどんなものになるか、結構楽しみだったりする。 家に帰ったらまずはこいつを守るために柵を作ってやらなきゃな… ちなみに加工場の人がめーりん種を捕獲しなり最大の理由は、ゆっくりから見捨てられた可哀想な奴だからやめようという理由らしい。 あそこの責任者の発案らしいが、不思議に納得できる理由だと思った。 fin ゆっくりれいむやまりさに虐められてる奴がいてもいいんじゃないかなぁって思って書いてみました。御目汚し失礼。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2650.html
ゆっくり種7 21KB パロディ 捕食種 ドスまりさ 希少種 現代 虐待人間 創作亜種 懲りずにゆっくり種の続きです。 『ゆっくり種7』 希少種 独自設定 種のパロディなので先読み余裕です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー さとり・・・・ 『誰ですか?』 さとり・・・・ 『誰なんですか?』 さとり・・・・ 何も無い真白な空間、そこにはさとり1匹だけが佇んでいる。 だが声が聞こえる。 1つだけでは無い、幾つもの声がする。 ポワ 不意にさとりの身体がふらんへと変化する。 『え?』 自分の意思で変化したのでは無かった。 そしてさとりの中に、ふらんの記憶が流れ込んでくる。 『えぇ!・・・まさか・・・そんな・・・酷い・・・』 ポワ 今度はみょんへと変化する。 そしてみょんの記憶が流れ込んでくる。 『あぁ・・・・・なんて事なの・・・・』 次から次へと強制的に、さとりは変化を繰り返していく。 そしてゆっくり達の記憶を、さとりは受け継いでいった。 さとりの目には涙が流れていた。 受け継いだ記憶によって、 おくうから受け継いだこの身体の秘密を、知ってしまったからである。 ポワ さとりの前に、緑の髪に帽子を被った胴付きのゆっくりが現れる。 『さとり・・・・あなたはこのゆっくり達の想いを受け入れますか?』 それはとても静かで、とても憂いのある声だった。 さとりの中にある沢山の想い・・・・・ その器として生きていく覚悟を問われている。 さとりの涙は、総ての悲しみを受け入れた涙であった。 『はい・・・』 『そうですか・・・・』 緑の髪のゆっくりは、優しく微笑み、 手に持っていた、悔悟の棒をさとりに差し出した。 さとりはそれを受け取る。 『これは!』 パァァァーーーーーーーーーーーー さとりの身体から光が放たれる。 白い世界に光が満ちていく、全てを包み込むように・・・・・ 『あなたの善行がゆっくりの未来に、光を導いてくれる事祈っていますよ・・・』 さなえはあーくえんぜるさん一行と別れ、自分のいた群れへと目指していた。 色々考えさせられる事が沢山あった。 もうどうすれば良いのかを判断しかねていた。 全てをかなこ様に報告しようと決めていた。 あの方は無慈悲な方では無い、きっと妙案を考えて下さる。 そう信じ群れへと急ぐ、群れまでもう少しの所まで辿り着いていた。 その頃希少種の群れでは、仮面まりさが帰還した所であった。 仮面まりさは帰るなり早々に、かなこに呼び出しをくらう。 社に入ると何時もより護衛のゆっくりが多い、何かしら重い緊張感で張り詰めているのが分かる。 『かなこさま、ただいまもどりました・・・』 『ご苦労だったなまりさ。』 『いえ・・・・でごようとは?』 『おぬしは今日、何処に行っていた?』 胡坐をかき、片膝をたて頬杖をついた状態で仮面まりさに今日の行動を聞く。 『きょう?きょうはふきんのていさつに・・・・』 『ほぉ?偵察で研究所の中までか?』 ザッザッザ 『!』 仮面まりさの周りを護衛が取り囲む。 『おぬしの行動は筒抜けだ、通常種のおぬしにわしが、 影をつけぬとでも思うたか!このうつけ!』 『きづかれていましたか・・・』 『何を企んでおる!事と次第によってはただではおかぬぞ! まりさを取り押さえよ!』 かなこは護衛に号令をかける。 皆、一斉に捕獲にかかったその時、 ザシュルルルルル 空気を裂く音が社を響き渡った。 ズルズルズル・・・・ドサ まりさを囲んだ護衛8匹全員、真横に裂けてしまった。 『な!』 かなこも他の護衛も、何が起こったのか理解出来なかった。 だが仮面まりさが何かをした! そうかなこは確信した。 側に置いてある御柱を握る。 『そう言えば・・・研究所の希少種救出の話も・・・・ 通常種が我らの同胞を売ったと言う話もおぬしだったな・・・・まりさ!わしを謀ったか!』 かなこは立ち上がり御柱を構える。 『くっくっく・・・あなたは、はなしがはやくてたすかります。 そうですよ!あなたのごそうぞうどうりです! すべて、しょちょうのけいかくのうちなのですよ!』 仮面まりさは、ゆらりと身体を振りながら話す。 『あまりにけいかくどうりにおどってくれるもので、ひょうしぬけしたくらいですよ。』 『この痴れ者め!』 ドゴーン かなこは、怒りに任せて御柱を仮面まりさに投げつけた。 だがそこにあったのは、黒いお帽子と仮面だけであった。 『もう仮装も必要ありませんね・・・・』 かなこの後ろから、仮面まりさの声がした。 『何ぃぃ!!』 背筋に冷たい物を感じ、咄嗟に御柱を背後へ振り回す。 だがそこには誰もいなかった・・・・ 『何処を見ているのです?私はここですよ。』 左側を見ると、そこには黄色い帽子を被った見慣れないゆっくりがいた。 『・・・・・誰じゃおぬしは?』 『もうお解かりでしょう?まりさですよ・・・・ いやもうまりさでは無かった・・・すわこと呼んで頂きましょう。』 かなこは再び御柱を構える。 『おぬしの目的はなんじゃ!わしの命か!それとも他の何かか!』 『そうですね命と言えば命かも知れませんね・・・・・・でも・・・・・ それはあなただけの命ではありませんけどね!』 すわこと名乗るゆっくりは大きく顔を振った。 シュルルルルルルル ザシュザシュザシュ またあの空気を裂く音が響く、 バタバタバタ 周りにいた護衛全てが倒れていく 『それがおぬしの得物か・・・・・』 すわこの口には、金属で出来た輪が咥えられていた。 先程の音は、この輪が空を舞っていた音だったのであろう。 2匹はジリジリと間合いを計りつつ詰めていく。 『やっともどってこれましたね・・・でもみはりがいない?』 その頃さなえは、廃村の入り口まで帰っていた。 そして何か異質な空気を感じていた。 『やっぱりおかしい!なにかあったんだ・・・』 嫌な予感を感じ、社目指して駆け出す。 シュルルルルル すわこの鉄輪が宙を舞う。 ドーン かなこの御柱が突き刺さる。 『なかなかやりおる・・・・』 『それはお互い様ですね・・・・』 双方の攻撃は、お互いへの決定打となかなかならなかった。 だがその均衡がついに崩れた。 『かなこさまー』 『!』 さなえが社へ入ってくる。 一瞬であったが、かなこの気がすわこから反れる。 『この勝負もらったぁ!』 シュルルルルルルル かなこに再度鉄輪が投げられる。 『ふん!わしを舐めるでないわ!』 かなこは、紙一重でかわした・・・・はずであった。 目前で鉄輪は進路を変える。 そしてかなこの顔を切り裂いた。 ザシュゥ!! 『ば・・・・ばかな・・・・』 傷はかなり深かったらしく、かなこは意識が遠のいて感じられた。 僅かに残った意識でかなこが見たものは、 すわこから長く伸びた舌が鉄輪に巻きついている様子であった。 恐らくかなこの直前で舌を巻きつけて進路を変えてきたのであろう。 『・・・・・・かなこさま?』 駆けつけたさなえが見た物は、顔を切り裂かれ地に伏せるかなこの姿であった。 『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』 さなえはかなこに駆け寄る。 『ば・・・か・・もの!にげ・・んか・・・』 かなこは瀕死に喘ぎながらも、さなえに退却を指示する。 『もちろん逃がしませんよ!』 すわこの追撃が飛ぶ。 シュルルルルルル さなえにはこの時、鉄輪がスローモーションに見えた。 そしてこの輪が、かなこを切り裂いたのだと理解した。 目前には、見慣れぬゆっくり・・・・ さなえは己の中で、何かが弾けるのを感じた。 『お・・まえか・・・・・おまえがやったのか・・・・・おまえがやったのかぁ! おまえかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』 パキーン さなえの目が紅く染まっていく、髪は逆立ちうねりを上げていた。 パシュゥゥゥゥゥ さなえの口から空気の渦が放たれる。 ギギィィィ・・・パッキーン すわこの鉄輪は、渦に脆くも砕かれた。 『馬鹿な!覚醒しただと?』 すわこは、さなえから距離を置いて間合いを取った。 さなえはジリジリとすわこに詰め寄っていく、紅い目がすわこを捕らえ続ける。 『ユルサナエ・・・ユルサナエ・・・・・ユルサナエ・・・・・』 言霊を唱えながら間合いを確実に狭めていく。 さなえが1歩近寄れば、すわこは1歩後退する。 『覚醒するとは誤算でしたね・・・まぁ胴付きはまだいますし、 ここは引いた方が良いかも知れませんね・・・・・』 そう言うと後方に大きく飛び、闇へと紛れ込む。 その姿は一瞬で見えなくなった。 『さ・・・・な・・・え』 追おうとしたさなえをかなこが呼び止める。 『あ・・・あ!かなこさま?』 さなえは、かなこの声を聞き正気を取り戻す。 かなこの側まで急いで駆け寄る。 『さ・・・な・・え・・ここ・・に・・のれ・・』 かなこは瀕死の身体で起き上がり、片手をさなえの前に出した。 『かなこさま!そんなことよりいまはおけがを・・「いいから聞けぇぇぇ!!」・・ひぃ』 『わしにもう・・・時間・・は・・ない・・・長はおぬしが継ぐのじゃ・・・』 かなこは、さなえを手に乗せると顔近くまで持ち上げる。 『いや・・・いやです・・・そんな・・・いやぁ・・・』 子供のように泣きじゃくるさなえ。 『泣くな・・・さなえ・・・・今から・・・おぬしに・・・わしの全てを・・・・与える!』 そう言うとすわこの残した鉄輪を、さなえを持つ手とは逆の手に掴む。 そしてその輪を自らの首へとかけた・・・・ 『ウォォォォォォォォォォォォ!!』 ザシュ 気合と共に引き抜いた。 『え・・・・・?』 唖然とするさなえの目の前から、かなこの首が床へと落ちていく。 その落ち行く表情は安らかな色を浮かべていた。 『あ・・・・・・・・・かな・・・こ・・・さま?』 さなえは何が起こったのかを、受け入れる事が出来ない。 グググググググ 首を失った身体が動き、放心状態のさなえを頭部へと据えた。 プシュゥゥゥゥゥゥゥ 湧き上がる煙 フォォォォォォォ そして舞い上がる風 赤を基調としたかなこの身体は、白に緑を配した物へと変化していく。 さなえ・・・ さなえ・・・・ 誰かが呼ぶ声がする。 さなえは気が付くと真白な場所にいた。 『あれ?ここはどこですか?』 さなえ・・・ 『え?かなこさま?』 パァァァァァァァ 目の前に光が収縮していく、やがてその光はかなこを象る。 『かなこさま・・・・』 光のかなこはそっとさなえを抱きしめる。 そしてさなえの中へ、吸い込まれるように消えていった。 『あぁ・・・・かなこ様・・・・分かりました・・・・ かなこ様の意志!さなえが引き継させて頂きます!』 さなえの目から涙が溢れていくのであった。 『どすがここのおさだよ、ゆっくりしていってね。』 あーくえんじぇるさん一行は山向こうの群れに辿り着いていた。 近々、希少種が攻めてくると、情報が入っていたので群れは慌しかった。 少しでも戦力が欲しかったらしく、あっさりと群れへの加入は認められた。 『ぱちゅたちはなにをすればいいの?』 実際の所は、初めての群れで勝手も利かず、 隅っこで途方にくれていた。 結局は自主的にあーくえんぜるさんに乗って、巡回警備をする事となった。 『ねぇ?ちゃとりおねいちゃんは?ありちゅをおいちぇどきょいっちゃったの?』 毎日のようにさとりの所在を尋ねる子ありす。 この話をすると誰も答えてくれなかったのだ。 目まぐるしく変化していく日々・・・・・ その心の支えだったさとりが居なくなり、子ありすは寂しかった。 ただ毎日、空を見上げてさとりの帰りを心待ちにしていたのだ。 そんな子ありすに、真実を告げる事は酷である。 「おーいドスは居るかい?」 群れに何人かの人間が入ってきた。 顔見知りの様子で、群れの中を我が物顔で闊歩する。 『ゆゅ?どすはここだよ、ゆっくりしていってね。』 「おぉゆっくりゆっくり、・・・で希少種の連中なんだが近くまで来ているらしい・・・ お前さんとこのゆっくりじゃ戦力にならんだろ?強くなれる薬を持ってきたから食わせてやれや・・」 そう言って人間は幾つかの袋をドスに渡す。 『ゆゆ?つよくなれるんだね?それはゆっくりしてるね。 にんげんさんたちも、どすたちとせいさいにきょうりょくしてくれるんだよね?』 希少種撃退の協力の約束を確かめるドスまりさ。 「お?おぉ任せておけや、ゆっくなぞ全滅させてやっからよぉ・・・・ でさっきの薬は戦いが始まる直前に食わせてやれや、その方が強くなれるぞ。」 『ちょくぜんだね?ゆっくりりかいしたよ。』 「じゃあ俺等は用意してくっからよぉ、それまできばってくれや」 そう言うと人間達は引き返していった。 ぱちゅりーは去っていく後姿を見ながら、何か悪い予感がしてならなかった。 山道を上流へと歩いていく先程の人間。 「おやっさん・・・さっきの薬って・・・」 1人の青年が、先頭を歩く中年の男性に先程の薬の事を聞いた。 「あぁあれか?檳榔子だ。」 「えぇ?それってやばくないですか?」 「さぁ?まぁ興奮剤になるし、痛みや恐怖は吹っ飛ぶだろうさ。」 「こまけぇ事はいいんだよ。どうせ全滅するんだからよぉ」 「そりゃそうですけど・・・・・」 「さっさと行って用意するぞ、手間取って逃げられてもかなわん。」 「「「了解っす」」」 この会話を聞いていたゆっくりがいた。 不審に思い後をつけていたスィまりさである。 『なにかゆっくりできないきがするよ・・・・もうすこしあとをつけてみるよ。』 人間より少し離れた場所から、置いていかれないようにスィーを走らせる。 1時間後、ついにその時は来た。 『れみりあだぁぁぁ!きだよ~わがってねぇ~』 見張りに立っていたちぇんの声が響く。 『れみりあこわいよ~』 『でいぶはじにたくなぁぁぁい!!!』 れみりあと聞いただけで震えだす群れ。 『まりさはにげるんだぜ・・・そろ~りそろ~り・・・てどぉじでれみりあがいるのぉぉぉ!』 真っ先に逃げ出したゆっくりは、れみりあの餌食となっていく。 『そうだ!みんなこれをたべてね。 にんげんさんがくれたれみりあにもかてるおくすりだよ。ゆっくりたべてね。』 ドスまりさは先程の「強くなれる薬」を皆の前に置いた。 『む~しゃむしゃ~しあわせ~』 『これめちゃうめぇ!うめぇうめぇ!』 本来なら苦味が勝ち、ゆっくりには食べる事は出来ないのだが、 これは蜂蜜漬けにされていて甘くできていた。 そしてその効果を発揮しだす。 『うぅぅいたんだどぉ~おじょうさまがやっつけるんだどぉ~』 希少種の部隊が次々と、通常種を襲い始める。 まずは近くにいたれいむが襲われた。 『むのうはしぬんだどぉ~』 れいむの身体に噛み付くれみりあ。 だがれいむの反応は異常であった、身体を捻りれみりあをゆらりと睨む。 『デいぶハデングるまだなんダどォやだジぐじないどだでナんだド』 まったく何を言っているのか聞き取れない。 そして、力任せにれみりあを振り解いた。 無理に身体を捻ったので、れいむの身体は引き千切られる。 だが構う事無く、そのままれみりあに噛み付いた。 ガブ 『いだぁいんだどぉぉぉぉざぐやぁぁぁぁ!!!!』 ゴキゴキボキ 砂糖で出来た歯が砕けるほどの力で、噛締めていくれいむ。 『うメえウメえうめえうメえうめぇ』 瞬く間にれみりあを食い尽くしていく。 異常なゆっくりは、れいむだけでは無かった。 まりさもみょんも、ちぇんやありすも・・・・・ 通常ならば、れみりあを見ただけで逃げ惑う通常種が、 逆に襲いかかっていく。 『ワがだナいギョォォォ!』 『げづバぜイだいなンだぜぇぇぇぇぇ!』 『どガいバぁぁぁぁァァァァあぁ!!!』 『なんなんだどぉぉ!どうなってるんだど?れみりあは・・・ぎゃぁぁぁぁ!!!』 どの通常種も奇声を上げながら、希少種を襲っていった。 だが希少種も負けてはいない、 『たんどくであいてをするな!ちかくのなかまとくんでたたかえ! はんげきするすきをあたえるなぁ!』 ゆうかの指示で3匹1組のチームを組み、次々と通常種を囲んで倒していく。 だが痛みや恐怖に囚われない、不死の如く動くゆっくりが相手である。 希少種群は、劣勢とはいかないでも押されていった。 『いったいどうなっているの・・・・』 倒しても倒しても起きあがる通常種に、ゆうかも動揺を隠せなかった。 その頃ドスまりさは、上流にいる人間に加勢を頼みに行っていた。 『ゆゅ!にんげんさんゆっくりしすぎだよ!はやくどすのむれをまもってね。』 騒ぐドスまりさを慌てる様子もなく、煙草をふかしながら眺める男性達。 『なにしてるの?どすとのやくだよ・・・ゆっくりしないでほしいよ!』 「そろそろ始めますか?」 「もうちっと待てや・・・連中全部が川原に入った時が狙い目だ、 まだ揃ってなさそうだしちぃと待てや・・・」 『ゆゅなにいってるの?』 「こいつはもう用無しだから、こいつでも潰しながら待とうや!」 そう言うと男性達は手にそれぞれ道具を持ち、ドスまりさを取り囲んだ。 『なにするの?なんだかゆっくりできないよ?あいつらをせいさいしてくれるのでしょ?』 何やら身の危険を感じたのか、ジリジリと下がるドスまりさ。 ザス 『ゆぎぃ!いだぃぃぃぃぃぃ!』 背後にいた男性に、鋤で刺されて悶え苦しむ。 それを合図に、全員がドスまりさに襲いかかった。 『いだいぃ!やべでぇぇぇ!!どうじでぇごんなごどぉぉぉ』 ドスまりさには状況が理解出来なかった。 味方のはずの人間によって、何故自分が暴行をうけているのか分からなかった。 「おいドスよ!言ったよなぁ?ゆっくりは全滅させてやるってよぉ? お前もそのゆっくりだろうがぁ!約束通り全滅させてやるよぉ!」 「ヒャハァァァ!!やっぱドスはやりがいがあるな!思いっきりやってもまだ死なないぜ!」 『やべでぇぇぇ・・・いだい・・・いだい・・・・』 ドスまりさは横倒しになり、一方的に暴行をうけ続ける。 「もうすぐ、この水門あけてお前らの仲間ごと水で流してやっから先いってろや・・・」 『ぞんなぁぁぁ・・・やぐぞくが・・いだいぃぃぃ・・・ち・・ちがうでしょぉぉぉ!』 『!』 ドスまりさは抗議するが聞き入れてもらえない、 隠れて様子を伺っていたスィまりさは、 この事をあーくえんぜるさんに教えるため、急いで引き返していった。 『おぜうさまはつよいんだどぉぉぉ!』 3匹同時にまりさに襲いかかり、餡子を一気に吸い上げて皮のみにしていく、 だが倒した隙を別の通常種に襲われる。 ガブ 『いだだ!だずげでぇぇぇぇ!!!』 『うバうばウバうびゃうばウマ』 この繰り返しで戦場は混沌としていた。 『むきゅう!あっちのれみりあにぶつけてちょうだい!いしさんのよういもわすれないでね!』 生き残るべく、必死にぱちゅりーは指示を出していく。 『わがったんだよぉぉ!』 『くらうんだみょん!』 『あっちいけぇぇぇ!』 あーくえんぜるさんは、全員必死で戦っていた。 狂った通常種は希少種どころか、仲間までも襲いだしている。 このままでは、いつ自分達にも危害が及ぶか知れない状態であった。 『ぱちゅりー!ここはもうすぐみずさんがくるよ!ゆっくりしないでにげてね!』 スィまりさが上流から戻ってきた。 『むきゅう!みずさん?それはいけないわ!でもこのままじゃにげられない・・・』 周囲を希少種と狂ったゆっくりで囲まれているのである。 動きを自由にはさせてもらえなかった。 それでも逃げなければならない・・・・・ 無理してでも強行突破するしか、手段は残されていなかった。 『とつげきだみょぉぉん!』 『いぐんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!』 ドーーーーン 次々と、敵味方関係なく跳ね飛ばして行く。 だがそんな進行も長くは続かない・・・・目の前にれみりあが現れる。 『しぬんだどぉぉぉぉぉぉ!!!』 れみりあの口が大きく開かれる。 ここに逃げ場所はない、恐怖でみな思わず目をつむりうずくまる。 その時、上空に大きな影が横切る。 バッサバッサバッサ ドーーーーン 『なんなんだどぉぉぉぉ?』 れみりあは影に吹っ飛ばされた。 皆が目を開くとそこには大きな背中があった。 黒い大きな翼を広げ、あーくえんぜるさんの盾となってそこにあった。 『ぱちゅりー大丈夫ですか?』 皆、その声に聞き覚えがあった。 『む・・・むきゅう?さとりなの?』 ぱちゅりーは震える声で尋ねる。 死んだはずと思っていた仲間の声・・・困惑と希望が入り混じる。 『はい!心配をかけました。ここは私が引き受けます! みんなは早く逃げて下さい。』 援護を引き受け、皆に撤退を促すさとり。 『むきゅう・・・だめなの・・・・ここにはもうすぐ、いっぱいのみずさんがくるの・・・ でも・・・れみりあやゆっくりしなくなったみんながいて・・・・・ ぱちゅたちはおとりにされのよ!にんげんさんにだまされたのよ!』 涙を流しながら叫ぶぱちゅりー。 『そうですか・・・・分かりました!道は私が切り開きます!』 そう言うとさとりは、黒い翼を大きく広げ宙を舞うが如く飛んだ。 そして前方にいる希少種達に向かっていく。 『ううぅ?おじぇうさまのすてきなおぼうしがぁぁぁ!!』 『かえすんだどぉぉぉ!!』 『ゆっくりできないんだどぉぉ!』 『おぼうしぃぃぃぃ!!』 次々にゆっくりの命とも言うべきお飾りを奪っていく、 大切なお飾りを求めて、皆さとりを追いかけていった。 『あいたんだみょん!』 『むきゅう!いまよ!いそいでちょうだい!』 『わがったんだよぉぉ!』 さとりを追いかけて開いた道をあーくえんぜるさんは猛進して行く、 「さてそろそろいいだろ・・・水門あけっぞ」 「「「了解っす」」」 ギィギィギィギィ ザァァァァァァァァァァァァァ ついに水門は開け放たれた。 川原一杯に濁流となって押し寄せていく。 『おみずさんこないでぇぇ!』 『ゆっくりできないぃぃぃ!』 『わがらないよぉぉぉぉ!!』 次々と濁流に呑まれていくゆっくり。 『むきゅう!いそいでぇ!』 あーくえんぜるさんは必死に山を登って行く、 さとりはお飾りを高台に放り投げて、まだ川原にいるゆっくりの救出に行く。 『おまえは!あのときの!』 ゆうかは、川原の真ん中でこちらに向かって飛んでくるさとりを見つける。 そのまま、さとりに襲いかかった。 ガシ だがゆうかはさとりの両手に捕らえられる。 その直後、今迄いた場所を濁流が飲み込んでいくのが見えた。 さとりはゆうかを高台に降ろすと、他にも助けれるゆっくりがいないかを探しに行ってしまった。 『あいつ・・・・』 ゆうかは何が起こったのかは分からなかったが、 自分がさとりに助けられたのだと言う事は理解できた。 『おねいちゃんがきゃえってきちゃんだにぇ』 子ありすは、さとりの帰還を喜びはしゃいでいた。 だがそこに現れる3匹のれみりあ 『れ・・・れみりあだぁぁぁぁ!』 逃げた通常種を追っていて、難を逃れた運の良いゆっくりである。 『こうまかんにもってかえって、でなーにするんだどぉ』 『いやぁぁぁたちゅけちぇぇぇぇ!!』 1匹が子ありすを掴むと飛び去って行く、そこに戻ってきたさとり。 だが子ありすを追えば、ぱちゅりー達が危ない! さとりに選択の余地は無かった。 『いただきまんもすなんだどぉ・・・れみりあのかりすまなおぼうしがぁぁぁ』 『あまあまいただくんだ・・・・かえすんだどぉぉ!』 すかさず2匹のお飾りを奪い、そのまま子ありすを追った。 既にかなりの距離を離されている。 現時点で追いつくのは不可能であった。 『ありす・・・・・・ごめんなさい・・・』 お飾りを捨てぱちゅりー達のところへ戻る。 人間が確認に来る前に、皆を安全な場所まで非難させる必要があったのだ。 行くあてのないあーくえんぜるさん一行は、灯台の群れへと引き返すしかなかった。 『さとりぃぃよかった・・・よかったよぉ・・・』 出迎えてくれたこいしは、さとりの生還を泣いて喜んでくれた。 この時教授は、出かけていて会う事は出来なかった。 管理者の許可は得られなかったが、 こいしの強い要望で、灯台の群れへと仲間入りする事となった。 『むきゅう!よろしくおねがいしますわ。 でもここのおさはやっぱり、きょうじゅさんでいいのかしら?』 『ちがうよ、ここのおさはこいしだよ。 そしてきょうじゅはかんりしゃさんなんだよ。ゆっくりりかいしてね』 『かんりしゃさん?よくわからないわ・・・・でもゆっくりりかいしたわ。』 管理者が何を意味しているのかは、ゆっくりには理解しようが無かった。 だが頼るしかないのである。 ぱちゅりーは、それだけは理解出来た。 落ち着いた一行は、やっとさとりの話を聞く事が出来た。 『わたしはもう・・・・希少種とか通常種とかの争いはしたくありません・・・・ これからは戦いと止めるために戦います! ぱちゅりー達がまだ希少種と戦うのであれば、さとりはここから出なければなりません・・・・』 『むきゅう・・・さとり・・・あんしんしてちょうだい、ぱちゅもそのいけんにさんせいよ。』 さとりに賛同するぱちゅりー 『こいしたちは、さいしょからちゅりつはよ。せんそうはゆっくりできないからね。』 こうして彼女達の今後の方針は決まった。 これがどれ程難しい事なのか、誰もまだ理解してはいなかった。 つづく ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー もう少しで終われそうなので、なんとか完結まで書かせて下さい。 前回より少し長くしてみました。 書いておいて何なのですが・・・・・ こんな与太話が長いと読み辛くないですか? この様なSSを読んで頂いただけで感謝です。 誤字・脱字等あれば勘弁して下さい。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出 ふたば系ゆっくりいじめ 1152 まりさとつむり ふたば系ゆっくりいじめ 1154 ゆっくり種 ふたば系ゆっくりいじめ 1156 ゆっくり種2 ふたば系ゆっくりいじめ 1160 まりさとおにいさん ふたば系ゆっくりいじめ 1169 ゆっくり種3 ふたば系ゆっくりいじめ 1174 まりさとまま ふたば系ゆっくりいじめ 1188 ゆっくり種4 ふたば系ゆっくりいじめ 1192 まりさとおちびちゃん ふたば系ゆっくりいじめ 1209 ゆっくり種5 ふたば系ゆっくりいじめ 1215 まりさとリボン ふたば系ゆっくりいじめ 1219 まりさと春 ふたば系ゆっくりいじめ 1228 ゆっくり種6 ふたば系ゆっくりいじめ 1240 ケーキ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る とってもゆっくりしたSSさんだね!つづきをゆっくりまつよ! -- 2012-11-24 14 02 40 続き楽しみにしてますよ 頑張ってくださいo(^^)o -- 2012-08-30 12 30 47 非常に続きが楽しみです -- 2011-12-30 16 49 52
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2423.html
ゆっくりの寿命 12KB 虐待-普通 観察 考証 ギャグ パロディ 理不尽 実験・改造 変態 希少種 加工場 現代 独自設定 独自設定の強い話です ・これを書いたのはHENTAIあきですが、今回はあまりHENTAI分が少ないです ・独自設定たっぷりのゆっくり考察SSです ・一部希少種が変な設定であり、死ぬので苦手なかたは読まないほうがいいかも ・色々と無理のある設定かもしれませんがご容赦ください ・それでもいいというひとはゆっくりよんでいってね!!! ゆっくりとは実に不思議な生物である。普通では考えられない生態であり、その能力にも驚かされる。 ありえない回復力に繁殖力、思い込みによってはとてつもなく早く進化をすることもある。 そんなゆっくりの中でも私が強く関心を示したのは寿命である。 ゆっくりは非常に死に安い。自然でなら越冬の失敗による餓死や共食い、凍死といったことがある。 同じ同族によって制裁という私刑を受けたり、レイパーによっての衰弱死、天敵による捕食されることもある。 都会ではその劣悪な環境によってそれこそ様々な死因で多くのゆっくりがこの世からいなくなる。 こうしたことからゆっくりの寿命は野生なら平均1~2年、飼いゆであっても3~5年と考えられている。 しかし、研究所やゆー物園では10年以上の年月を生きたゆっくりも確認されている。 また近年ではドスへの進化は突然変異と多くの年月を生き残ったことによって進化するといったデータもある。 私はこのことから一つの仮説を思いついた。 「ゆっくりの寿命とは、思い込みによって自らの命を終わらせることではないか。」 私が確認した野生で天寿を全うしたゆっくりがいる。そのゆっくりはまだ1年しか生きていなかったが、 自らの子供が独り立ちで独立した後に満足そうに死んでいった。 飼いゆっくりであったゆっくりはある日親愛な番を亡くし、後を追うように永遠にゆっくりとしてしまった。 それまでまったく衰えが見えなかったというのに、ある日突然老化が始りそして死んでいったのだ。 死が身近にあればあるほど、ゆっくり達の寿命は早まる。それが野生のゆっくりの短命の理由ではないか。 私はこの仮説を証明するため実験を行った。 自然の環境を人工的に作り出したある部屋で、希少種であるゆっくりもこうがいた。 ゆっくりの中では長命であり、野生でも長く生きていることが確認されている。 このもこうは大事な希少種であり、大切に育てられ今ではなんと20年という年月を生き延びている。 しかし、この部屋から一度も出たこともなく、他の同族とも一度も接触したことはなかった。 「もこたんゆっくりおきたお!」 誰に言うわけもなく元気よく挨拶をするもこう。もこうが起きたことを確認すると、飼育係の研究員が餌を持ってくる。 「おはようもこう。今日も一日ゆっくりしていってね。」 「おにいさんもゆっくりしていってね!!!いつもごはんさんをありがとうなんだお!」 そう挨拶をして元気よく餌を食うもこう。普通のゆっくりであればここまで生きているなら食欲など沸かないものだ。 にもかかわらずこのもこうは、まるで若い成体のような勢いで用意された餌を食べていく。 「おなかがいっぱいになったから、ヴォルケイノをはじめるお!」 そう宣言すると飼育係は急いで部屋から出ていく。もこう種が行うヴォルケイノとは体温をあげることである。 その温度はすさまじく、普通のゆっくりであれば燃え尽きてしまうほどだ。 人間でも間近にいれば火傷を負うほどの高温になるため、もこう種はこれにより野生での戦いでも非常に有利になる。 「ゆふー。きょうもたくさんヴォルケイノしてきもちいいお!」 これにはストレス解消や運動といった要素もあるらしく、もこう種はよく行う。 さてこの施設の中にあるゆっくりを一匹投入してみる。 「めんどい・・・」 「かぐやだああああああああああああ!」 もこうと同じく長命であるゆっくりてるよだ。初めて会うゆっくりにもかかわらずもこうは相手を確認するや、 いきなり体当たりを始める。 「ここであったらひゃくねんめ!もこうとしょうぶするお!」 「めんどい・・・」 もこう種とてるよ種は何故か犬猿の仲である。最ももこうが一方的に目の敵にしているのだが。 それでも仲が良い個体も確認されており、一緒に昼寝をしたり番となる場合もあるようだ。 「ヴォルケイノ!ヴォルケイノ!どうだお!」 「あつい・・・」 そういって楽しそうにてるよに攻撃を続けるもこう。てるよはその場を動かずにただ耐えるのみである。 元々殺すためでなく、じゃれあっているようなものだ。しばらくすると攻撃をやめて、横でゆっくりし始めるもこう。 「おにいさんみるお!もこうはかぐやにかったんだお!」 新しい水と餌を持ってきた飼育係に嬉しそうに報告するもこう。それに対して飼育係も話を合わせる。 「すごいんだなもこうは。でもあんまりやりすぎてるとてるよが死んじゃうぞ。」 「しぬ?おにいさんしぬってどういうことだお?」 聞きなれぬ単語にもこうが興味を示し飼育係にその意味を尋ねる。 しかし飼育係は適当にはぐらかして部屋から出て行ってしまう。 そして夜に二匹が寝静まったのを確認してから、飼育係はてるよに近づき注射器をてるよに突き刺し中の薬品を注入する。 「さむい・・・」 そうぽつりと言うとてるよは一度体を震わせて動かなくなった。 注入されたのはゆっくりを安楽死させるための薬品だ。決して痛みを与えることなく眠る様に死んでいく。 てるよが死んだことを確認すると、飼育係はもこうを起こすことなく部屋から出ていく。 「もこたんゆっくりおきたお!てるよ、きょうもしょうぶだお!」 そう言っててるよに近づいていくもこう。しかしてるよはぴくりとも動かずにその場にいたままだ。 「てるよどうしたんだお?もしかしておなかすいてるのかお?」 不安そうにてるよの体を揺するもこう。しかしてるよはまったく反応をしめさない。 それでも必死にてるよを動かそうと、てるよの体をすーりすーりし続けるもこう。 そこに飼育係が部屋に入って来た。もこうはすぐさまてるよがおかしいことを飼育係に告げる。 「なるほど、きっとてるよは死んで永遠にゆっくりしちゃったんだよ。」 「どういうことだお?お兄さんもこうにもわかるようにせつめいしてほしいお!」 そう言われて飼育係はもこうに死について分かりやすく何度も説明を始めた。 長く生きていると体が弱って死ぬこと。死んでしまうともう動けずに何も喋らないこと。 そしていつか誰でも最後に死んでしまうことを、飼育係はもこうの疑問に丁寧に答えた。 「じゃあもこうやおにいさんもいつかしんじゃうのかお?」 「そうだね、私もいつかは死んじゃうよ。でもいつ死ぬのかは分からないんだ。」 その日からもこうはあまり餌を食べなくなった。運動もほとんどせずにただ同じ場所で眠っており、たまに動くのは 飼育係が作ったてるよの墓の前まで移動するぐらいだ。 今までの健康ぶりが嘘のようにもこうの体は弱っていた。 「もこうどうしたんだ?全然元気が無さそうだけど。」 「なんだかからだがおもいんだお・・・。もこうはもうすぐしんじゃうのかもしれないお・・・。」 そうしてもこうは一週間後に眠る様に死んだ。その体は今までの柔軟さなど無く、 カサカサに乾いてしまっていた。神にも艶は無くなり所々に髪が抜けてしまっていた。 飼育係はもこうの死体を部屋から出し、実験室へと持って帰るとその死体を解剖し始める。 「これですか教授、今回の実験に使われたゆっくりは。」 「そうだ。てるよが死ぬまでは健康体であったのに、ここ最近で急速な老化が始まった。」 「ということは教授の仮説が真実であることに一歩近づいたんですね!」 そう言って嬉しそうな声をあげる助手。その助手に対して教授と呼ばれた男性は悲しそうに助手に言う。 「確かにそれは嬉しいことだが、私はこのもこうを長年世話をしてきたんだ。それを思うとなんだか長年の友人を 亡くしてしまったようで悲しいよ。 「すいません、酷いこと言ってしまって・・・。」 彼は長年もこうの研究をしており、その飼育係としても長年もこうとこの研究所で過ごしてきた。 長年の加工所の研究により希少種の繁殖が可能となり、このような実験も可能となった。 彼が研究するゆっくりの寿命を調べる実験において、最古参であったこのもこうが実験体として選ばれたのだ。 「悲しいのはこの実験をする時から覚悟していたさ。だけど私は悲しいからと言って実験をやめるわけにはいかない。 せめてもこうが天国でてるよと遊べるようにてるよと一緒のお墓に入れてやらないと。」 「私も手伝いますよ。教授のお手伝いなら私は何でもやりますから!」 その後教授と助手は長年の知己であるもこうをてるよと一緒に墓に埋葬してやった。 もこうが死んだ日にはいつも花と餌を供えていく。 私がこれまで行ってきた研究を自室でまとめていると、後ろに何か気配を感じた。 「教授、そんなに根を詰めると疲れちゃいますよ。これでも飲んで一休みしてください。」 私の後ろにいたのは長年私に付き添っている助手であった。私はホットココアを受け取ると一口すする。 「いつもすまないな。それと家ではいつもの口調で話してくれないか?なんだかむず痒くなってくるよ。」 「わかったんだぜお兄さん。でもあんまり無理はしないでほしいんだぜ。」 そうしていつもの口調に戻った助手−胴付きまりさ−は私に心配そうな眼差しで見つめてくる。 もうお兄さんと呼ばれるような歳でもないが、まりさは私を呼ぶときはいつもお兄さんだ。 私がゆっくりの寿命を調べるようになったのは、このまりさが大きな理由だ。 まりさを飼っていてふと、まりさが少しづつ成長していることに気づいたのだ。 「まりさ、なんだか大きくなっていないか?」 「言われてみればそうみたいなんだぜ。なんだかお兄さんの顔が近く見えるようになってるんだぜ!」 そうして私はふと思ったのだ。もしこのまままりさが成長していけばどうなるのか? どこまで成長してそしていつか死んでしまうのではないかと。 最初は少しでもまりさの寿命を延ばそうと思い、始めたことだった。しかし、いつのまにか私はゆっくりの謎に引き込まれていった。 私は加工所に務めるようになり、研究をしていくことになった。 「心配してくれてありがとうまりさ。でももう少しで私の仮説が正しいことを証明できるかもしれないんだ。」 「それでも心配なんだぜ。お兄さんはなんだか最近元気が無いんだぜ。」 確かに私も随分と歳を取ってしまったものだ。昔ならこれぐらいの徹夜でも何ともなかったというのに今でも疲れが出てしまう。 一方のまりさはといえば、見た目は若いままでありある時を境にまったく姿は変わっていなくなっている。 「大丈夫だよまりさ。いつもまりさに手伝ってもらっているから研究も楽に行えるからね。」 「そう言われると嬉しいんだぜ!まりさはお兄さんのためなら何でもするんだぜ!」 私はまりさに非常に感謝している。研究の助手として私を助けてくれるだけでなく、まりさ自体が私の研究の実験でもあるのだから。 まりさはすでに50年は生きているのだ。まさにゆっくりの寿命が思い込みによって延命されていることを、 その存在自体で証明しているようなものだからだ。 「もう少ししたら寝るから、まりさはもう先に寝ておいてくれ。」 「わかったんだぜ、でもあんまり夜更かしはしないでほしいんだぜ。」 そう言ってお休みとまりさに言うと、私はまとめかけていたこれまでの実験の資料に向き合う。 そこで私は急激な眠気に襲われた。なんとか意識を保とうとするが、体は机に寄りかかり動けなくなってしまう。 「いやなんだぜ!こんやはかれーさんをきたいしてたんだぜ!」 まだまりさが小さかった頃に初めてお使いにいかせたことが頭に思い浮かんだ。あの時は随分と困ったな。 一緒に寝てあげると言って泣きやましたが、まりさを飼うことになったあの夢を見ておねしょをしたんだっけ。 懐かしい記憶が頭を駆け巡って行き、私の意識は深い闇に沈んでいった。 後書き 絵本あきさんのナショナルゆんグラフィックのドスの絵をみて、ゆっくりの寿命について考えて書いてみました。 寿命がなければこういう風に人間よりも長く生きるゆっくりがいるかもしれないと思い、こうして 胴付きまりさを成長させてドスならぬ完全体胴付きゆっくりが出来上がってしまいました。 お兄さんが亡くなった後にまりさも寿命を考えて一緒に永遠にゆっくりしてしまうのではと考えると何だかしんみりした気分です。 やはり自分はHENTAIが一番ということに気づいたHENTAIあきでした。 以前書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 993 初めてのおつかい ふたば系ゆっくりいじめ 1003 寂れた神社で ふたば系ゆっくりいじめ 1014 ゆーパチ「ヒャッハー!虐待だぁ!」 ふたば系ゆっくりいじめ 1024 めーりんの憂鬱 ふたば系ゆっくりいじめ 1036 別れと出会い ふたば系ゆっくりいじめ 1043 夜の怪奇現象 ふたば系ゆっくりいじめ 1058 S計画 作られたゆっくりたち ふたば系ゆっくりいじめ 1072 胴付きへの進化 ぱちゅりーの場合 ふたば系ゆっくりいじめ 1080 違うありす ふたば系ゆっくりいじめ 1087 まりさ家出する ふたば系ゆっくりいじめ 1099 てんこを良い子にする方法 ふたば系ゆっくりいじめ 1108 きめぇ丸?いいえしゃめい丸です ふたば系ゆっくりいじめ 1144 別れと出会い まりさのトラウマ編 ふたば系ゆっくりいじめ 1155 ゆっくりスクール おまけ というお話だったのさ 「どうだ、俺が作ったこのeraまりさは?」 「なんだこれ?親愛値と知識値を上げてたらなんでこんなエンディングなんだ。」 「それは研究者エンドだ。確かにハッピーエンドとは言えんが、中々味のある終わりだろ。」 「俺じゃああんまりゲームのコメントは出来ないが結構良く出来てるんじゃないか?」 「そうだろう。ちなみに親愛値と欲望値をあげていると肉奴隷エンドになる。」 「いらねーよ、そんな解説。もうちょっと良い終わりはないのかよ。」 「もちろんあるぞ。ハッピーエンドではまりさと結婚して、子供が生まれるという終わりもある。」 「まあハッピーエンドだな。しかし、文字だけじゃ少し物足りなくないか?」 「そこは考えているが、お前のところの汚れたまりさに声でも当ててもらおうと思っている。」 「面白そうだな、ちょっとまりさこっち来い!」 無理やりゲーム作りに協力させられる胴付きゲスまりさ。恥ずかしいセリフやHENTAIなセリフもあり協力を拒むが、 飼い主のお兄さんに言われて渋々協力させられてしまう。 後にこのeraまりさは多くのHENTAIお兄さんに購入されて、一大ブームを巻き起こし様々な亜種が作られることになった。 そしてその集大成が、胴無し胴付きすべてのゆっくりを調教できるeraゆっくりの起源となったのだ。 P・S 物語はむかしむかしで始まり、最後はめでたしめでたしで締めるのがポリシーのHENTAIあきです。 大きなお友達以外はeratohoのことをグーグル先生に聞いちゃ駄目だぞ!HENTAIあきとの約束だ! HENTAIあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 「同じ同族」とか「飼育係はてるよに近づき注射器をてるよに突き刺し」とか文体の重複が気になってしまったwww ゆっくりの寿命は未だに決まってないね。 1ヵ年、数年、本ゆんの思い込み(=プラシーボ効果)、殺されるまで死なない、等々。 他のある漫画では、寿命と体の大きさは比例していて、 何十億年も生きた結果、星になったまりさの話もあったくらいだし。 -- 2018-03-28 17 34 30 もこうが死んだのはプラシーポなのか? -- 2013-02-16 22 45 46 コメント欄がきっかけでブクマをするってのは始めてかもしれない。 -- 2012-11-26 23 13 19 なんだこのコメント欄www -- 2012-10-16 13 27 11 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ できるか阿呆 -- 2011-11-04 19 08 38 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓できるか阿呆 -- 2011-10-10 00 42 58 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓できるか阿呆 -- 2011-07-14 12 49 02 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ できるか阿呆 -- 2011-07-08 21 55 03 ↓ ↓ ↓ ↓ できるか阿呆 -- 2011-07-02 19 26 51 ↓ ↓ ↓ できるか阿呆 -- 2011-03-09 18 40 57 ↓ ↓ できるか阿呆 -- 2011-03-09 17 36 14 ↓できるか阿呆 -- 2011-01-22 15 42 47 実験ならまりさでしろよ -- 2010-12-04 16 41 49
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3088.html
その7より 虐待部屋を出た男と、抱えられたれいむ。 「ゆっくりどこにいくの?」 「隣の部屋さ」 「ゆっ?」 隣の部屋? 一体、隣の部屋に何があるのだろう? 男は隣の部屋の扉の前に行くと、徐に扉を開けて、中に入った。 一緒に隣の部屋に入ったれいむは、その部屋を見て、呆気に取られた。 「ゆゆゆゆゆっ!?」 そこはれいむが虐待以外の時間を過ごしていた、あの二畳半の部屋であった。 床にはブルーシートが敷かれ、部屋の隅にはドッグフードと水の張った桶が置いてある。 そして、部屋の中心には、さっきまでれいむが包まって毛布が無造作に投げ捨てられている。 「れいむ。この部屋は誰の部屋だ?」 男がれいむに問いかける。 「ゆっ……ゆっ……」 れいむには答えられなかった。 間違いなく自分がいた部屋である。しかし、部屋なわけがなかった。 れいむの隣にある虐待部屋、そこにはありすが住んでいたはずなのである。 「れいむ、不思議だろう? なんでありすがいるはずの部屋が、虐待部屋になっているんだと思う? 一体、ありすはどこで生活していたんだろうな?」 「ゆっ……」 「まあ、答える前に次に行くか」 男はそう言うと、れいむの部屋を出て、もう一つの隣部屋に入っていった。 れいむは、その部屋にも見覚えがあった。 「ゆゆっ!! ここは!!」 「覚えているか、感心感心。その通り、この部屋はお前たちが初日に箱の中で眠っていた部屋だ」 2か月半もたってはいるが、れいむは未だこの部屋を覚えていた。 何しろこの部屋は、れいむが初めて過ごした人間の家の部屋であり、恐怖を感じた未知の空間だったからだ。 忘れたくても忘れられなかった。 しかし、やはりおかしい。 ここは本当なら、まりさが住んでいたはずである。 それなのに、机や椅子が置いてあり、棚の中には本が置かれている。 それと引き換え、ドッグフードや水の桶は置いていなかった。 まりさは以前、部屋には何もないと言っていた。 それなのにこの空間といったら、物で溢れているではないか!! 「な、なんで……!?」 ポツリと言葉が出ているれいむ。 もう訳が分からなかった。 まりさとありすはゲスでレイパーだった? でも、れいむの知っているまりさは、ゲスではなかった? 親友のありすは、とても優しかった? れいむの隣の部屋には、まりさとありすが住んでいた? 隣の部屋は、虐待部屋? 隣は、最初にれいむが来た部屋? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? 一体どうなっている? 男は放心しているれいむを抱えて、再び虐待部屋に戻ってきた。 れいむを床に置いて、こっちを見ろと、命令してくる。 虚ろな表情で、男を見るれいむ。 男は、ポケットに手を突っ込むと、ゴソゴソと何かを取り出してきた。 男は取り出してきたそれを、れいむの目の前に掲げた。 「ちょうちょさん?」 れいむは、初めそれが蝶々のように見えた。 しかし、目を凝らして見てみると、無機質なそれは、決して蝶々でないことが理解できた。 蝶々のような何かを見せて、いったいどうするつもりなのだろう? れいむが考えを余所に、男は真っ赤な蝶々を自分の口元に持ってくる。 そして、口を開いた。 『ゆゆっ!! まりさのおよめさんのれいむ!! なんでそんなかおしてるの?』 「!!!」 れいむは、目を見開いた。 突然、どこからか、まりさの声が聞こえてきた。 その声色は、あの優しかったまりさの声その物であった。 れいむは部屋の中を見渡した。 透明な箱の中には、ボコボコにされたゲスまりさが、弱弱しく蹲っている。 こいつが話した訳ではないだろう。 なら、いったいどこから聞こえてきたというのだ? れいむが、忙しなく体を動かしていると、再びまりさの声が聞こえてきた。 『れいむ!! まりさはここだよ!! ゆっくりりかいしてね!!』 声の聞こえる方に目を向ける。 そこにあるのは、真っ赤な蝶々に口を当てた男の姿だった。 まさか、この男が言ったのだろうか? いや、そんなはずはない!! 今のは、明らかに男の声では無かった。 れいむの愛するまりさの声だった。 だったのだが…… 『ゆゆっ!! ゆっくりまりさのことが、わかったみたいだね!! うれしいよ、れいむ!!』 確実だった。 声は男の口元からしっかり聞こえてくる。 れいむは、益々理解が出来ない。 男はその後、蝶々を口元から離すと、手の中で蝶々に何かを施した。 そして、再び口元に持ってくる。 『ありすとれいむは、いつまでもしんゆうよ!!』 「!!!」 次に男の口から飛び出してきたのは、れいむの親友のありすの声。 もう何が何だか分からない。 れいむの餡子脳は、明らかに処理能力の限界を超えていた。 「わからないよ……」 ゆっくりちぇんの様な事を呟くれいむ。 目は虚ろで、焦点が全くあっていない。 男はれいむの態度を見て、ニンマリ微笑むと、口元から蝶々を離し、れいむに顔を近づけた。 「れいむ、一体何が分からないんだ?」 「……」 「まりさとありすが、ゲスのレイパーだった事か? それとも、隣の部屋が、虐待部屋だった事か? もしくは、俺の口から、まりさとありすの声が聞こえたことか?」 「……」 「まあ全部だろうな。今から順に説明していやるよ」 「……」 「まず、お前が初めてここに来た時、出会ったまりさとありすはこの二匹だ」 男はそう言って、透明な箱をバンバン叩く。 その度に、二匹は恐怖に歪んだ表情を見せてくれる。 「さっきのこいつ等の態度と映像で気づいているだろうが、こいつ等はゲスでレイパーだ。あの日、お前が見た二匹は、全部こいつ等の演技だったんだよ。 俺はこいつ等と契約してな。報酬を与える代わりに、俺のやることに付き合えって言ったんだよ。まりさの報酬は、美ゆっくり100匹。ありすは美ゆっくりに整形してやることだ。 ま、契約といっても、守る気なんてサラサラ無かったがね。こいつ等を釣るために口から言った出まかせだ。 ちなみに、整形ってのは、言ってみれば無理やり人工的に綺麗にするような事だ。お前が見たまりさ、美ゆっくりだっただろ? あれは、俺がしてやったんだ。 まあ、俺がしたというより、金を出して専門家にしてもらったというほうが正確なのだがね。元々は十把一絡げのどこにでもいる汚いゲスまりさだったんだぜ。 全く技術の進歩ってのはすごいよな。それとも、体の構造が単純だから、そんなことも出来るのかねえ?」 「……」 「まあ、そんな訳で、こいつ等は手伝ってくれることになったんだ。田舎者のれいむを思いっきり馬鹿にしてやるって言ったら、二匹ともノリノリだったな。 心底ゲスな奴らだね。まあ、俺も他人のことは言えないんだが、ハハハ」 「……」 「で、映像で見た通り、その日こいつ等は虐待をされなかった。虐待されていたのは、お前一匹だけだったんだ。でもお前は全員虐待されたと思っただろ? なぜだ?」 「……」 「なぜなら隣の部屋にいたまりさとありすも、同じく虐待を受けたってお前に言ったもんな。だから、お前は自分だけでなく、二匹も虐待されていると思い込んだ」 「……」 「もう気づいているんじゃないか、れいむ? あの声の正体に?」 「……」 「言ってほしいか、本当の声の主を?」 「……」 「それでは言ってやろう。あの壁越しに聞こえたまりさとありすの声の正体、それはなんと……」 「俺でした〜〜〜!!!!」 「…………」 「あり? 反応が薄いな。もっと愕然とした表情を見せてくれるかと思ったんだが……まあ、良いや、続けよう。お前が壁越しに話していた二匹は、俺がこいつを使ってしていたことだ」 男はそう言って、真っ赤な蝶々をれいむの目の前に掲げてくる。 「これはな、以前香霖堂という店で手に入れた物だ。このようにダイヤルを合わせると、好きな声を出すことが出来るんだ。 『まりさのおよめさんのれいむ!! そんなかなしそうなかおをしないでね!!』 『しんゆうのれいむ!! ありすがすりすりしてあげるわ!! ゆっくりなかないでね!!』とまあ、こんな風にな」 「……」 「何でも外の世界から流れてきた本を参考に、かっぱが制作した物らしい。それを香霖堂の店主が、ツケの代わりに貰ったそうだ。 高かったんだぜ。それ以上に非売品でな。店主もこれは商品じゃないと、中々売ってくれなったんだ。しかし、俺の努力の甲斐あってな。ようやく売ってくれたんだ。 一週間毎日のように通い詰めたもんだから、向こうもいい加減嫌気がさしたんだろうな。悪いことしたよ」 「……」 「で、これを使って、二匹のふりをしていたという訳だ。両方の違う壁から声が聞こえてきただろ。それには、このスピーカーを使ったんだ」 男はポケットに手を突っ込むと、丸い物を二つ取り出し、れいむの前に置いてやった。 『ああ、ああ、聞こえますか? 聞こえますか?』 『とかいはのありすよ!! ゆっくりへんじしてね!!』 男が出した丸い物体から、声が飛び出してくる。 最初のセリフは右側の丸から、後のセリフは左側の丸から聞こえたものだ。 「これをありすのいた部屋というか、この虐待部屋の壁に貼り付けていたんだ。で、もう一つの方は、本当はまりさがいるはずだった部屋に貼り付けた。 まりさの声を出す時はこっちのスピーカーから、ありすの声を出す時は、もう一つのスピーカーから声を出していたという訳だ。 だから、お前には両壁から、声が聞こえてきたという訳だ。だいたい分かってきたろ」 「……」 「つまりだ。お前が二か月半もの間、毎日のように話をしてきた相手は、なんとこの俺だったというわけだ」 「……」 「虐待部屋とお前の部屋を往復する時、木箱にお前を詰めただろ。それはな、これを知られないためだったんだよ。隣が虐待部屋だって気付かれたら、計画がすべておジャンだからな。 最初からお前だけが、虐待されていたんだよ。架空のまりさとありすは、どこにもいなかったという訳だ」 「………………」 れいむはようやく理解できた。何もかも理解出来てしまった。 れいむは、ひたすら男の掌の中で踊っていたということが。 「ここに来てまりさに出会い、一目で惚れたよな。横から見ても、アリアリと分かったよ。でどうだ、今の気分は? 実際のまりさはゲスで、美しさも作られた物だと知ってしまった気分は? そんなゲスまりさと婚約した気分は? 悔しいかい? 悲しいかい? どうなんだい?」 「……」 「それからありすもね、本当の姿はレイパーだったんだよ。あ、ちなみにこいつの親がレイパーだってのは本当の話だぞ。 ただ、嘘だったのは、こいつがレイパーを憎んでいるって話な。こいつ自身、生粋のレイパーだから。むしろ、親以上だろって言いたくなるほどのな。 どうだい。そんなありすと親友になれて? 君たち、確か親友だよね? これからも親友でいようって約束したよね? レイパーと親友になった気持ちは? 教えてくれよ!!」 男はニヤケ顔を止めず、れいむに言ってくる。 何を馬鹿な事を言っている。 自分が大好きだったのは、あの勇敢で凛々しいまりさだ!! 自分の親友は、優しく本当の都会派であったありすだ!! 決して、この透明な箱の中で醜い姿を曝している二匹ではありはしない!! 「れいむがおよめさんになったのは、このげすまりさじゃないよ!!!! れいむのしんゆうは、こんなれいぱーありすじゃないよ!!!!」 れいむは今までも鬱憤を晴らすかのように、盛大に叫んだ。 しかし、男は一向にニヤケ面を改めようとしない。 寧ろ、男にとっては、その言葉を待っていた節すらあった。 「そうか、こいつ等は婚約者でも親友でもないか。それなら、お前の本当の婚約者と親友は、一体どこにいるんだ?」 「ゆっ!?」 「ああ、そうか。お前の本当の婚約者は俺か!! 本当の親友は俺なんだな!!」 「ち、ちがうよ!! ゆっくりごかいしないでね!!」 「誤解も何もそう言うことだろ? お前が2か月半も一緒に生活してきたまりさとありすは、全部俺の演技だったんだから」 「ぢがうよおおおおぉぉぉ――――――――!!!」 「本当にいろいろな事を話したよな。一緒に俺の悪口を言ったり、作戦会議をしたり、ここから出られたらどうするか話し合ったり」 「やめでええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――!!!!」 「途中、お前の居場所が無くなってきただろ。あれはな、俺がそうなるように仕向けたんだよ。まりさとありすを演じて、お前が一匹除け者にされるようにな。お前の焦りっぷりったら、止められなかったぜ」 「いうなああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!!」 「そう言えば、ありすというか、ありすを演じた俺の告白はどうだったよ? 迫真の演技だっただろ? あれでお前はまりさに告白する決意を固めたんだもんな」 「やめでええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――――!!!!」 「しかもその後自分から虐待まで受けるとは。プププ、そんなにまりさと対等になりたかったのかい? その為に、怖い怖い虐待を進んで受けたのかい? 俺が相手だとも知らずに、プププ。おお、愚か愚か」 「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!!!!!」 「ありすを出し抜いた気分はどうだい? 優越感に浸れただろ? でも、今思えばとても恥ずかしいよね? 何しろ、俺に告白して、俺に優越感を感じているんだから」 「ゆぎゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――!!!!!!」 「そもそもさ、おかしいと思わないのかねえ。自分から進んで虐待を受けたがる奴なんて、いるはずがないじゃん。 家族の為ならまだしも、他ゆっくりの為に自分から進んで痛い目に会うって、いったいどんなマゾよ。 それにさ、ありすにしても変だろ。 お前のしたことって完全に裏切りじゃん。それなのに許すばかりか、いつまでも親友でいようねなんて、いったいどこの聖人君子よ。 真に都会派のありすなんて者がいたら、一遍お目にかかってみたいわ。まあ、そんなもん、いないだろうけどな」 「……もう、やめでよ」 「れいむ、お前は最高のゆっくりだったよ。お前を選んで本当に良かった。 森の中で伸び伸びと暮らし、呑気で疑うということを知らない無垢なゆっくりが、少しずつ負の感情に染まっていき、狡猾で計算高くなっていく様をしっかりと見させてもらったよ。 俺としては、お前の性格の変化によっていくつかの結末を考えていたんだが、その中でも最高に近いエンディングを見せてもらったよ。本当にお前は名タレントだった。 俺の掌の中で遊ばれているとも知らず、自分の作戦が順調に進んでいると思っている姿を見たら、途中で何度本当のことを言い出してしまいそうになったことか。 いやはや、危なかったよ。しかし、我慢したおかげで、こんなに素晴らしい喜劇を制作することが出来た。ありがとう、れいむ!!」 「……やめてよ」 「ただ、一つ失敗したのは、あのゲスとレイパーをボコボコにしてしまったことだな。本当なら、万全な姿でお前に会って欲しかったんだが。 その方が、お前にとってこみ上げるものがあるだろ。何しろ、虐待をされてるのは、正真正銘お前だけなんだから。 同じ虐待をされる仲間がいるからこそ、今まで耐えられてきたのに、実は自分だけが虐待されていると分かったら。 良ゆっくりであるお前だけが虐待されて、ゲスとレイパーはそれを見て笑ってるんだから。どうだ、想像しただけで、来るものがあるだろ?」 「……」 「しかし、こいつ等はあまりにもゲス過ぎた。俺の神経を逆なでしすぎたんだな。映像を見ればわかるだろ。じじいとか言ってくんだぞ、こいつ。 いやはや、すっかり我慢できずに、こんな姿にしちまったよ。ゲスの虐待なんて、やりすぎてもう飽き飽きなんだがね。はあ、惜しいことをした……」 「……」 「れいむ、また口が止まったぞ。会話はキャッチボールだ。お前も何か言えよ」 「……」 「おい、何か言えって」 「……ゆっくりここからだしてね」 「はあ?」 「……ゆっくり、このおうちからだしてくれるっていってたよ……ゆっくりまもってね……」 れいむはもうすべてどうでもよかった。 男の話は、しっかり理解した。自分がピエロだったことは、十分理解出来た。 もうどうでもいい。 まりさがゲスだったことも、ありすがレイパーだったことも、男がずっと自分を騙していたことも、どうでもよかった。 ただただ今はこの家を出たい。 外の空気を思いっきり吸い込みたい。 すべてを忘れたい。 れいむは、何度も「ここからだしてね」と繰り返した。 「……タレントなら、最後までしっかりと責任を持ってほしいものだがな。まあいいだろう。お前の消沈ぶりを見せられれば十分だ。家から出してやるよ」 男は虐待部屋の扉を開けると、「ついてこい」と、れいむに顎をしゃくる。 れいむは、虚ろな目をしながら、ただただ男の後に続いて行った。 男は玄関前にやってくると、ドアノブにてを掛けた。 しかし、そこでピタリと手を止めてしまう。 「れいむ、本当に帰るんだな?」 「……ゆっくりはやく、ここからだしてね」 男は「確認したぞ」と言いながら、玄関のドアを開けた。 これで帰れる。 これでこの辛い暮らしともオサラバ出来る。 森に帰ったら、すべてを忘れよう。なかったことにしよう。 そうだ、お母さんの所に帰ろう!! きっとこの悪夢は、お母さんの言葉を聞かなかった自分に天罰が下ったのだ。 これからは、お母さんの傍で、ずっとゆっくりしよう。 友達といっぱい遊ぼう。 無限の可能性を秘めた玄関のドアが開けられた。 れいむは、勢いよくそこに飛び込んでいく……が、 「ゆっ……ゆゆ………ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ!!!!!」 れいむの目に真っ先に飛び込んできたのは、白だった。 見る物触る物すべて白一色に染まっていた。 それは、ゆっくりを決してゆっくりさせてくれない大自然の猛威。 一面の銀世界に、れいむは言葉を紡げなかった。 「ああ、一つ言い忘れてた。実は昨日、この冬一番の寒波が来てな。雪が積もりに積もったんだわ」 「ゆっ……」 2か月半。 れいむが男に虐待されている間に、季節はすっかり移り変わり、本格的な冬が到来した。 れいむは気付きもしなかった。 そもそも、れいむのいた部屋には窓がないし、その日を生き抜くのに精いっぱいで、そんなことに頭を回している余裕もありはしなかった。 男が巧みな話術で、それを思い出さないように仕向けていたこともある。 また、ゆっくりの巣と違い、人間の家は防寒に優れており、毛布も与えられていたため、気温の変化も気付きにくかったのだ。 「こりゃあ、雪かきが大変だな。全く嫌になるよ。森の方もさぞかしすごいことになってるだろうな。一面雪が積もって、巣の場所なんて分からないだろうね。 それに、餌はあるのかなあ? 動物も昆虫も冬眠してるだろうし、草も花も木の実だってもうあるわけないよねえ」 「ゆ……ゆ………」 「たいへんだな、れいむ。これからこんなところで生きていかなきゃならないなんて。でも、俺は応援しているよ。 ゆっくりお家を作って、ゆっくり餌を集めて、ゆっくり冬眠していってね!!」 何を馬鹿な事を言っているのだ!! こんなところで暮らせるはずがないだろう。 男の言葉通り、森は雪で埋まり、どこに巣があるかも分からない状態だろう。 今から巣を作るなんて言語道断だし、餌なんてあるはずがない。 その以前に、こんな雪の中を歩いて森に帰れるはずがない。 道中、空腹で死ぬか、寒さで凍え死ぬかが落ちだろう。 れいむは男の顔を覗き込んだ。 男はそんなれいむを見て、ニヤニヤとうすら笑いを浮かべている。 知っていたのだ。 れいむがここから出られないことを。 ここから出ても、待っているのは死だけであると。 れいむが助かる方法はただ一つ。男に助けてもらう以外、方法がないのだと。 悔しかった。 ようやく抜け出せると思っていたのに、結局最後の最後まで、男の手の上で踊っていただけの自分が。 あれほどの仕打ちをしてきた男に助けてもらえなければ、生きていくことも出来ない脆弱な自分が。 れいむは悔しかった。 それでも、れいむは死にたくなかった。 死ぬことが怖かった。 「……おにいさん。ゆっくりれりむをおうちにいれてね」 「なんだ、森に帰りたいんだろう? 遠慮するな、れいむ」 「……ゆっぐりおねがいじまず。れいむをおうぢにいれでぐだざい」 「ふーむ……ま、良いだろう。何しろ俺のお嫁さんだしな。どうだ、前に言ったろ。“まりさ”の家は、人間の家と同じくらいデカイって。 ははは、当り前だよな、俺は人間だもん。大きなお家で暮らせて嬉しいだろ。これからも精々可愛がってやるよ。なあ、れいむ」 「……ありがとう……おにいさん」 おまけ 男は里の道を歩いていた。 生活用品の買い出しと、香霖堂への贈り物を買うためである。 今回の虐待は、香霖堂の店主があれを譲ってくれなければ完成しなかった。 半ば無理やり譲ってもらったような品だ。あの店主は人が出来ているので受け取ってくれないかもしれないが、贈り物でもしないとこちらの気が済まない。 あれだけ壮大な虐待が出来たのも、すべて店主のおかげだ。受け取ってくれなければ、無理にでも置いてくるつもりだった。 男は、幼馴染がやっている和菓子屋に入っていく。 「いらっしゃい……って、なんだお前!! その格好は!!」 馴染みの店員が、男の恰好を見て唖然とする。 「ん、なんかおかしいところでもあるのか?」 「お、おかしいって、お前、寒くないのか?」 男が来ていた服。 白いシャツに、青いジャケット。水色の短パンに、極めつけは赤い蝶ネクタイ。 七五三で男の子が着るような恰好である。 格好のみならず、脛毛がとても痛々しい。 「ああ、寒い」 「寒いって……分かってて、何でそんな恰好してんだよ!? 変態か? 変態なのか? だいたいその眼鏡はなんだ、視力2.0!!」 「誰が変態だ!! 最近、ちょっとしたことにハマってたんだが、この格好のほうがやる気が出てくんだよ。 変態じゃねえよ!! 仮に変態だとしても、変態という名の探偵だ!! ちなみに眼鏡は伊達な」 「探偵って……ああ、もういいわ。お前が変人なのは、昔からだもんな」 「なんだと、この野郎!!」 「まあ、それはさて置き、いいところに来たよ。近々、お前の家に行こうと思ってたんだよ」 「用事でもあったのか?」 「この前みんなで集まってな。今度の春に合わせて、演劇でもしようと決まったんだ」 「へえ」 「でだ、お前も当然参加するだろ?」 「ああ、させてもらうよ」 男は里の劇団員の一人である。 劇団といっても本業でしているわけではなく、趣味の合う者が集まって作られたサークルである。 「ところで、どんな演目をするんだ?」 「まだ決まってないよ」 「ならゆっくりの役を取り入れたらどうだ?」 「ゆっくり? ゆっくりって、饅頭のゆっくりのことか?」 「ああ。自慢じゃないが、俺はゆっくりを演じさせたら、幻想郷一という自信があるぜ」 「……本当に自慢じゃないな」 店員は呆れているようだ。 男はとりあえず、店主への贈り物を選び包んでもらう。 「ところで練習場所はいつものところだな?」 「ああ、そうだ」 「いつから始めるんだ?」 「遅くとも来週には取りかかりたいな」 「分かった。予定をあけとくよ」 男は用事も終わったので、店を後にしようとした。 「おい」 「まだ何か用事があるのか?」 「どうでもいいが、そんな恰好で練習場所にくるなよ。みんな引いちまうぞ」 「うっせえ、俺の勝手だろ」 「バーロー」 〜fin〜 久しぶりだね、兄弟(・∀・)ノ 何が書きたかったかというと、最後のセリフを書きたかっただけである 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後① ゆっくりいじめ系615 チェンジリング後② ゆっくりいじめ系657 いい夢みれただろ?前編 ゆっくりいじめ系658 いい夢みれただろ?後編 ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語 ゆっくりいじめ系744 風船Ⅰ ゆっくりいじめ系848 風船Ⅱ ゆっくりいじめ系849 風船Ⅲ ゆっくりいじめ系936 カルガモとゆっくり 前編 ゆっくりいじめ系937 カルガモとゆっくり 後編 ゆっくりいじめ系938 カルガモとゆっくり おまけ ゆっくりいじめ系960 ゆっくりにドラえもんの道具を与えてみた
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3071.html
※注 意※ 時間軸的にはfuku3229と繋がってますが。特に見なくても平気です。 スレでもらった意見を元に改良します。 精進します。 虐待されない、頭の良いゆっくりが居ます。 鬼井山がなんか万能です。 それでよろしければしたへどうぞ。 朝~ 「「「ゆっくりしていってね、あさだよ、おにいさん」」」 飼いゆっくりに朝起こすように伝えた結果がこれだよ・・ 「うっせ、声量さげろ饅頭。寝起きでストレスがマッハなんだよこの野郎・・・・」 「ゆっ。いごちゅういするよ。ごめんね。」 無駄に利口な奴だけきよって。制裁できないじゃないか・・・・。 腹減ったことだし、飯作りますか。 「オラ、居間行くぞ。飯だ飯」 「「「ゆっくりりかいしたよ」」」 朝~鬼井山宅 居間 「「「「「おはよう!ゆっくりしていってね!」」」」」 「NiceDay.だがうっせぇぞ饅頭 献立はどうする?」 「むきゅ。ぱちぇはとーすととこーちゃがいいわ!」 「わたしもとーすとがいいわ、なんならてつだいましょーか?」 「じゃおぉおおおおおん!」 「うー!うー!」 「うー・・・・ あまいの」 「れーむはおいしければなんでもいいよ!」 「まりさもそれでいいよ!」 「ようするになんでもいいんだねわかるよー」 「ちーn「黙れ饅頭」みょん・・・・」 「まぁ、おにいさんにまかせるわ。のうさぎょうのつづきをしたいのよ」 うわぁ・・・頭のいいゆっくりを労働力として雇い始めた結果がこれだよ・・・・ 「・・あー、適当にこの前の野良ゆっくりとパン、紅茶。 これでいいか?」 「「「「「ゆっくりそれでいいよ!!」」」」」 「はいはい、五月蝿いぞ饅頭共・・・」 さって。パンは焼いて・・・・野良ゆっくりはれみりゃ、ふらん、ゆうかにまかせて・・・ 紅茶どうしよう・・・・俺が入れる・・・・? 「むきゅ。おにーさん。こうちゃのいれかたをかいておいたわよ」 なん・・・だと・・・? 「・・・好意はありがたいけど字になってねーぞ」 「むぎゅっ・・・・」 「・・・・・・アラビア語みてぇ・・・」 「・・・たぶん、あらびあごなのよ・・・。」 まぁ、いいか。 紅茶なんぞなくても気にしなかろう。 朝~ 鬼井山宅 朝食後 「ごちそーさん。 おそまつさま。」 「「「「「ゆっくりごちそうさまー!」」」」」 さーて、楽しく無い農作業とゆっくり捕獲が今日もはじまるお・・・・ 「むきゅっ!ゆうか、れみりゃ、れいむ、まりさははたけしごとよ!ゆっくりがんばってね!」 「ふらんとぱちぇで買出しいってこい 紅茶のレシピと小麦粉やらなんやら。メモに纏めたから。」 「ゆゆっ、ありすたちはおるすばんかしら?」 「ん~・・・狩り手伝わせるわけにもいかんし・・・」 さて、どうしたもんか・・・ まぁ、留守番でいいかな? 「レイパー饅頭とゲス饅頭に気をつけて留守番頼んだ」 「ゆー。だれかー!おにいさんのりょうじゅうとあみもってきてー!」 「うー!」 「ぱちぇ。いくよ」 「そうね。いきましょう」 「ゆゆっ!あみがからまったよ!」 ~~~~~~中略~~~~~~~~ 「行って来ます 暗くなる前にはかえらー。」 「「「ゆっくりいってらっしゃい!」」」 昼~ ゆっくりの森 広場 日差しが強い。帽子もって来るべきだったかな? とりあえず里から受けてる注文のゆっくりは・・・? 「えー・・・れいむ4匹 まりさ2匹 ・・・・?」 一般的だな 数も少ないし娯楽用も取れるかね? 移動も開始しよう。グズグズ独り言いっててもゆっくりはひっかかんない。 ザッ、ザッ、ザッ。 さて、手持ちは、縄、網、折りたたみ透明な箱×12、 動物を狩る事も考えて猟銃もある、活躍しないだろうが さて、木々が多くなって万年落ち葉があるところに出たらそこはゆっくりがいる。だろうなぁ。 「ゆっ!だれかいるよ!」 「ゆゆっ!にんげんさんがいるよ!」 「にんげんはおかしをおいてゆっくりかえれだぜ!」 お、御出ましだ。れいむ種とまりさ種は十分な数だ。 後はありすとれみりゃ、みょんとちぇんだ。 あー・・・肉まんの豚饅頭もほしいなぁ・・・ 「ゆゆっ!おかしおいてかえれっていってるのわからないの?ばかなの?」 「ゆゆっ!たぶんみみがとおいんだぜ!めーりんとどうしゅなんだぜ!」 「ユーックスクスかわいそうなにんげんさんだね!ゲラゲラゲラ」 Oh...俺のストレスがマッハでマックスなんだが。 「「「ゲラゲラゲラゲラゲラ!」」」 「黙れ糞畜生饅頭 黙ってれば付けあがりやがって。見るも無残な喋る饅頭にしてやろうか!?あ゙ぁ゙!?」 「「「ゅっ・・・・」」」 よーし、やっぱどのゆっくりも怒鳴られると萎縮するのな。おもしれぇなぁ。饅頭の癖に 「うるさいんだぜ!さっさとでてけだぜ!」 「そうだz「シャルァアアアアアップ!!!!!」ゅぅううう!!」 硬直してる間にどんどんしまっちゃうよー。 箱の中からだせー!とかきこえんのはきのせーだ。 とりあえず脅しておくか。うぜぇしうっせぇ。 「ゆっくりだせよこのくそじじい!」 「DastToDast って言葉しってるか?」 「しらないんだぜ!だせっつってるだろ!それぐらいもわかんないのかこのくそじじい!」 「ちりはちりに。 糞饅頭なんだから饅頭らしく黙れこのサノバビッチ!」 ゲスの娘(?)なんだからあってる・・かねぇ? とりあえずしずかになったんでさっさと移動移動。 ザッザッザッ 「ふれてぬれてまほうをかけてー♪『いいからはやく か・け・て?』」 あー、ありすかちぇんでてきてくんねぇかなぁー・・・ 「んほぉおおおおおお!!!」 ビクッ! 近くで発情してるレイパーがいるなぁ・・うるせぇなぁ・・・ 「やべでぇええええええ!!だずげでざぐやぁああああ!!」 「ばがだだいどぉおおおおおお!!(わからないよー!)」 「んぼぉおおおおおおおおおおおぉおおぉぉおお!!」 さて、ここいらで割り込むか。 「Hey、Hey. いい日だな!糞饅頭共!ぶち殺してくれようか!」 ゆっくりゃとちぇん回収完了。 ちぇんは一匹だからこれでOK,ゆっくりゃは俺のサンドバック。 「ぼうやべでぇええええ!!」 「ばがりだぐ、だいよぉおおおお!(わかりたくないよー!)」 レイパー3匹だけど・・・つかみたくねぇなぁ・・・ 「おい糞畜生2匹」 「ゔぅうううう!!やべでぇええええ!!ざぐやぁああああ!!」 「わがらだいよぉおおおお!!」 うっせぇ・・・ 「静かに、俺の問いに答えろ糞饅頭。答えないならレイパーの群れに返してやるよ」 「んほっ!」 うぜぇ。 「「はぃいい!!ごだえばずぅうう!!」」 「お前等、静かにできるか?」 「「できばずぅうう!!!」」 「じゃぁ俺が許可するまで黙れ。いいな?」 「ばぃいいいい!!」 残りはレイパー共だ。 えーと。ゆっくりは生きていればいいって条件だったな。どういう状態でも。 手持ちの薄力粉をゆっくりどもにぶちまける 「ゆゆっ!さらさらしててんほぉおおおおお!!」 「さらさらんほぉおおおお!」 「・・やっべくっついた!」 「プーックスクス」 マジコント・・・・ よし。どろどろしてないみたいだから仕舞いますか。 「だじでぇえええええ!!!」 「だが断る。」 ~~~中略~~~ 夕方~ 鬼井山の家 「おい良い子にしてたか? 饅頭共ー!」 「「「「「ゆっくりおかえりなさい!!」」」」」 うん。出かける前とかわってない。あらされて無い。オッケーイ。 「ふらーん!ぱちぇー?いるかー?」 「うー・・・つかれたー・・・」 「ゆ?いるわよ?」 「このゆっくりしまっといて」 ゆっくりの袋詰めを渡して。このゆっくりゃを拷問部屋にもってって。 飯はあまった饅頭共でいいかね? 「ちぇーん。れみりゃー」 「なにかようなんだねわかるよー」 「うー!うー!」 「鍋に水入れて沸かしておいて。」 「わかるよー!」 「うー!うー!!!」 「ありーす、ゆうかー!」 「よんだかしら?」 「なに?ようじ?」 「この饅頭洗って鍋んなか入れといて」 「とかいはてきにりかいしたわ!」 「まぁ、いいでしょう」 よし。フリー時間きた。これで虐(か)つる 夕方~ 鬼井山の家 虐待部屋 「おい豚 起きろ」 「うぅー? どこだどぉー?」 お、おきたおきた 「此処は俺の家、の虐待部屋だ。喜べ」 「うぅー!そんなことよりぶっでぃ~んもっでぎでぇ~♪」 うっぜぇ・・・・ 「おい豚、此処にお前の望むものは一つも無いぞ、喜べ」 「うぅうう!?ぶっでぃ~ん!ぶっでぃ~んぼっでぎでぇえええ!?ざぐやぁぁぁぁああああ!!」 ストレスが、すとれすががががががががが・・・ 「黙れよ糞畜生!テメーは半永久的にサンドバック兼非常食なんだよ!判ったらしゃべんじゃねぇ!」 ここで随分前に咲夜さんにもらったナイフをちらつかせる 「うぅ!?ざぐやどないぶ!?」 わかんのかよ?! あ、ちなみに本物な、紅魔館に甘いもの大量に届けたらお嬢様のリボン付きでもらえた。 あそこは家のお得意さんだし。西行寺に持ってくとき並にもってっても平気だからうへへへだよ。 「まぁ、このナイフでお前を達磨にするんだが。気分はどうだ?」 「やべでぇええええええ!!!ないぶいやぁああああ!!」 うっせぇなぁ・・・・ さっさとやりますか。 れみりゃの頭にフックを突き刺してぶら下げて。胴を縛ってそれを支えにフックに吊るして・・・ ~~~~中略 ・・・すいません。実力不足です・・・OTZ~~~~ 「やべでぇええええ!!おろじでぇええええ!」 無視、さっさと足を捥ぐ 無論手で。 ぶちぶちぶち・・みちみちみち・・・ぶちぃっ! Oh....油が・・・油が・・・・ 「いぎゃぁああああああああああああ!!!ざぐやぁあああああああああああああ!!」 もういっかい!もういっかい! ぶちっ!みちみちみちみちみち・・・・ぶち・・・ぶち・・・・ぶちぃっ! 「でびぢゃのぶでてぃーなおあじがぁああああああああ!!ぼうやべでぇえええええええええ!!」 「かなーしみーのー、むこーうーへとー♪」 音痴だって?そんなのかんけーね!ってな。 腕・・・はだるいから切っちゃうか。 俺の腕が良く無いから上手く切れるが不安だがな!! みちっ!ぎちぎちぎちぎち・・・ずばっ! 「ぎゃぁあああああああああああああああ!!ざぐぎゃぁああああああああああああ!!」 もうい(ry 今度は刺してみよう ずぶっ!みちみちみち・・・ずばっ! 「うぅううううううううううううううううううううぅうううううううううぅうぅ!!」 Wow 良い声で鳴いてくれる うん。達磨にしたんだ。 達磨といえばなんかそんな拷問があった気がする 「おい豚饅頭」 「ぶだじゃだぃいいい!ざぐや、ざぐゃあああああああああああああ!!」 「シャラップ。傷口に塩、熱した鉄ってどうなるか。しってるか?」 「じらだぁいいいいいいいいいい!!おうぢがえどぅうううううううううう!!」 「シャーラーップ。・・・そうだ。今から行う拷問に耐えたらプリンやるよ」 「ゔ~!ぶっでぃ~ん!ぶっでぃ~んぢょうだぁ~い!」 「拷問に耐えたらね。 やるか?やらんか? ちなみにやらなかったらプリンは目の前で潰す」 「ゔ~・・・・やる!」 さっきまでの痛みでも学習して無いと見た。 へっ。糞饅頭め・・・見てるだけでイラついてくるコワしたくなる・・・・ OK,落ち着け俺。この拷問が終わったら自由だ・・・・ 「拷問のルールを説明する。ギブアップ・助けて・もういや・帰る。このどれかをいったらお前の負けだ。 俺の好きな事をお前にする。 これからお前にこの熱した棘付きの鉄の棒を差し込む。4本耐え切ったらお前の勝ちだ。 お前の好きな事をしてよいとする。」 「ゔ~!ざっざどはぢめるんだぞぉー!」 コロしタい・・・・ 「じゃぁオコトバニアマエテ・・・・」 ずっ・・・・ 「うぎゃぁああああああああああ!!!」 ずずず・・・・ずず・・・ず・・・ 「いっぎぃいいいいいいいいいいいいいい!!」 ずず・・・みちっ・・・・みちみちっ・・・ブシャァッ! 「ぎゃあああああああああああああ!!ざぐやぁあああああああああああ!!」 あぁ・・・・この叫び声を聞くために鬼井山やってるといっても過言ではなうっ・・・ ふぅ。 ずずっずずずずずず!! 「いぎっ・・・・・はひっ・・・」 あ、壊れた?・・・面白くない。 えーっと。肉まんだけどオレンジジュースでいいのかな? 「おらよ。さっさと復活しろ。これで回復しなかったら俺の勝ちだからな?」 「うぅっ・・・・ざぐや・・・・だずげで・・・・」 たすけにこねーよ。野良だもん。っていってやりたいけどそれは勝ってからだな 「2本目行くぞー」 ずずずっ! 「いぎぃぃいいいぃいぃいいいいいいいあいあいああああああああおおおおぉおおおお!?」 お、やっぱ熱した鉄に塩はキツかったか。反省反省。 「まーんーじゅー。まだまだおわんないぞー?が・ん・ば・れ(はぁと)」 ずずずずずずずずん!!! 「うううううううううううううぅううううううううううううぅうううううううう!!!!!!」 おー、おー、耳が・・・鼓膜が・・・・ 耳栓を用意すべきだったか・・・・ ずずずず・・・・ずずずずずずず!!! 「ぼういびゃぁあああああああああああああ!!おうぢがえどぅうううううううううううう!!」 ギブアップか・・・・ 「ギブアップ?降参?俺の勝ちでいいんだな?」 「ぶっでぃんいだないがだぼうがえぢでぇええええええええええええ!!おうぢがえどぅううううううう!!」 あー、まだ叫べるんだな? 「んじゃぁ俺の好きにさせてもらおう。俺の勝ちだしな?」 「あ・・・・・あ゙あぁ・・・・・」 饅頭って青くなるのね・・・キモい・・・・・ まぁ、俺の自由だね。さっさと殺して料理するかぁ! 「いびゃぁああああああああああああああああああああ!!!・・・・う~?うー!!うーうー!!」 チッ。精神崩壊起こしやがった 面白く無い・・・ 「ゆっくり だれでもいい。来い」 「ゆ、ゆっくりきたy・・・なにごでぇえええええええええ?!」 あ、れいむがきた。 れいむは最近来た饅頭だったな? 初心者にこのルナティックな光景はキツいか。 「拷問後だ。この豚を食料にしろ 今日食っちまおう」 ずるずるずるっ!ずるずるるっ! とりあえず鉄の棒ぬいたからこれで運べるだろう。 「おい、運べ」 「はぃいいいいい!ゆっくりしないではこびますぅうううう!!」 だめっぽいな。 「みょーん。みょーん?」 「おちん「反省ってもんを知らんのかこの腐れ饅頭」みょん・・・」 後で「躾け」が必要かね・・? 「れいむを手伝え。俺は片付けてから行く。」 「みょん!みょみょん!」 さて。静かになったね。 はぁ。ゆっくりって。どうしてあんなに。もろくて。おもしろいんだろうね。 あしたもいじめられるかねぇ・・・・? END 後書き~ 途中テンションが変わってますね。すみません。 とりあえず虐待モノは一気に書かないといけないですね。教訓にします。 鬼井山たちのプロフィールを書かせていただきます。 鬼井山 ドS 英語好き 甘党。ゆっくりがいなくなるなら俺も死ぬ。っていうぐらいの甘党 器用貧乏 お菓子作り、日曜大工、しつけ、世渡り術。なんでもござれ。 東方キャラと縁がある。 けーねの寺子屋で教育されて、 白玉楼と紅魔館はお得意さまで。あっきゅんとは同じ趣味。 鬼井山のゆっくり 虐待SSとかで頭がいい故に裏切られて殺されるっていう分類の奴等。 9歳児ぐらい並には頭がいい。 鬼井山に助けられたゆっくり。 作者 鬼井山暦の薄い鬼井山 虐殺のケがあるかもしれない。 え?そんなことどうでもいいって? ですよねー^^ orz 作者 半年ROM(半年ROMれなかったけどこの名前で行く事にします。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2193.html
※今までに書いたもの 神をも恐れぬ 冬虫夏草 神徳はゆっくりのために 真社会性ゆっくり ※今現在進行中のもの ゆっくりをのぞむということ1〜 ※注意事項 ゆっくりの形じゃ最初のひと跳ねもできないだろとか突っ込み禁止。 お日様昇って天高く、ぽかぽか大地を照らしてる。 風はびゅうびゅうまだまだ寒く、北から元気に吹いて来る。 睦月一月、春まだ遠い。とある冬の小春日和。 ここ数日続いていた陽気に誘われて、うっかりおうちの外に出かけてしまったれいむ一家は困っていた。 「ゆううぅぅ……」 「「「「「みゅぅぅぅ……」」」」」 人里近い川べりに、しょんぼり屯する一家、母れいむと六匹の赤れいむの総勢七匹。 水面に困り顔の影を落としても、事態が改善するわけもなし。 「水さん、ゆっくりしていってね!」 「みじゅしゃん、ゅっきゅりちていっちぇにぇ!」 もちろん川の流れに呼びかけたところで、急流がゆっくりしてくれるはずもなし。 さらさらと音を立てて流れる小川に恨みがましい目を向けて、「はぁ」と溜息と共に愚痴を吐くのが関の山だ。 「これじゃかえれないよ……」 「みゃみゃ、ひゃやくおうちにきゃえりちゃいよ……」 そう、れいむ一家のおうちはこの小川の向こうにある。 川幅おおよそ十尋にして、深さはおおよそ一尺ほどもあるだろうか。 この小川、一昨日れいむたちが渡った時には幅も深さも半分ほどでしかなかった。ゆっくりでも這って渡れる浅瀬もあった。 それが急に大きくなったのは、れいむたちを外に誘い出した小春日和に原因がある。 大本を辿れば妖怪の山にたどり着くこの小川に、この数日の陽気で生まれた雪解け水が一気に流れ込んだのだ。 妖怪の山から霧の湖へ、霧の湖からこの小川へ。 本格的な春が訪れた訳ではないから、流出した水の量もまだ微々たるもの。 だが、その微々たる量が、今はこうしてれいむたちの帰宅を断固として拒んでいた。 「ゆぅ……どうしよう。こまちのわたしぶねはここからだととおいし……」 この小川を遡っていけば、上流にゆっくりこまちが営む渡し舟の里がある。 だが、そこまで行こうと思えば、ゆっくりの足では丸一日。赤ちゃん連れでは二日を見ないと難しい。 今の一時的な増水が収まるまで待つのとどちらが早いか、れいむの餡子脳では判断しにくいところだった。 というよりも、餡子脳では考えても無駄なことであった、というべきか。 「あ。ゆっくりだ」 「ほんとだ。親子だ」 「ゆ?」 親子揃って無益な思索にどれほどの時間を費やしたことだろう。 状況の変化は、結局れいむが起こすのではなく外部からやってきた。 「ゆゆっ。ゆっくりしていってね!」 「ゆぅ〜、にんげんしゃんだ!」 「ゆっくちー!」 「ゆきゅちちちぇいっちぇにぇ!」 くるり、とれいむ一家が振り向いた先には数人の人間の少年がいた。 口々に挨拶するゆっくり一家に、人間に対する不審はない。 もともと魔法の森の奥に住むこの一家のこと、人間に出会うことも稀なために先入観というものがないのだ。 「にんげんさんは、ゆっくりできるひと?」 だから、とりあえず親れいむは聞いてみた。 相手のことをれいむは何も知らないのだから、本人に聞いてみるのが一番だ。 人間さんはとてもゆっくりできると、れいむの餡子脳の中に伝わる一族の記憶が伝えている。 きっと快く答えてくれるだろうと、根拠なく想った。 「ん? 俺たちはゆっくりしてるぞ」 「ゆっ。よかった、ゆっくりしようね!」 「「「「「ゆっきゅちちようね!」」」」」 返ってきたのは期待通りの返事で、れいむたちは今の状況も忘れてすっかり嬉しくなり、ぴょこんぽこんとその場で飛び跳ねた。 一方の人間の少年たちといえば、もちろんその場で飛び跳ねるような事もなく、ふいっと視線を水かさの増した川へと遊ばせる。 「……川を、渡りたいんだ?」 「ゆっ! そうだよ、れいむたちのおうちはこのかわさんのむこうにあるんだよ!」 ぴょこん、少年の問いかけにもう一度れいむはその場で飛び跳ねた。 人間さんと会えた喜びでゆっくり忘れてしまっていたが、今はそれが一番大事なことのはずなのだ。 川の流れは激しくて、れいむ家族は愛するれいむ(同種のつがいらしい)が待つおうちに帰れない。 「ふぅん……」 「でも……ねぇ、れいむ?」 そう窮地を必死に訴えるれいむにも、少年たちの視線は相変わらず川のどこかに向けられていた。 人間さんがどこを見ているのか、れいむは不思議に思って高い場所にあるお顔がどこを見ているのか必死に追いかける――と、 少し上流の川の中ほどをゆっくり進むそれを発見して納得がいった。 「まりさたちは川を渡ってるよ?」 れいむが見つけたそれ、人間さんが指摘したそれは、別の群れのまりさの家族が川を向こう岸に帰っていく光景だ。 親まりさ一匹に、赤まりさ六匹の計七匹。 川岸で侘しく佇むれいむ一家と同じ数。でも彼女たちはおうちに帰ることが出来て、れいむたちには同じことはできない。 「ゆぅ……まりさはおぼうしでかわをわたれるんだよ。れいむにはできないんだよ……」 「ゅー。まりしゃのおぼうち……いいにゃぁ……」 「うらやまちいにぇ……」 だって、それが生まれついてさだめられたゆっくりの種としての特徴だから。 まりさは帽子を舟代わりにして水辺を過ごすことができて、れいむは川を渡ることが出来なきない。 親一匹と赤ゆっくり六匹、羨ましそうにまりさたちの後姿を見送ることしか出来ないのだ。 れいむたちだって、おうちにかえりたいのに。 おうちにかえって、もう一匹の親れいむと何日かぶりにすりすりしたいのに。 ちょっとしたお散歩と餌集めのつもりが、陽気に誘われて随分遠出してしまった。 さぞかし、お留守番の家族は心配しているに違いない。早く、顔を見せてゆっくり安心させてあげないと。 思えば、最初から留守番れいむは遠出に反対していたのだ。 ここまで連れて来た六匹の赤ちゃんたちは、れいむとれいむの初めての子供だった。 秋口にれいむ達はつがいになって、冬篭りに入る直前に初めてのすっきりでこの子達を作った。 たっぷり食料を蓄えた巣穴で、安全に大きくなるまで育てる為に。 春の目覚めを十分に成長した子ゆっくりとして迎え、危険の少ない状態で外界での生活をスタートさせるために。 ああ、だから赤ちゃんたちを連れてくるべきではなかった。 今はちょっとゆっくりできそうだからって、お外の世界を見せてあげようなんて思うんじゃなかった。 れいむの反対を聞いておくべきだったのだ。何がおきるかわからないよ、ってれいむはちゃんと注意してくれていたのに。 川の流れに逆らって、ゆっくり遠ざかるまりさの姿を見送りながら、お出かけれいむの焦りは募る。 かなわない願いだけれど。 今は、ほんとうに、早く、帰りたい。 「ふぅん……じゃ、渡れるようにしてやろうか」 ――その、見送ることしか出来ないはずのものを、人間さんがこともなさげに聞いてきた。 びっくりして、れいむ一家はお互いに顔を見合わせた。 与えられた衝撃と、それによって生じた困惑と、そこに芽生えた期待の大きさは、みんな同じだった。 この川を渡るなんて、れいむたちにはとてもじゃないけれどできないこと。 だけどれいむたちより大きくて、とてもゆっくりしているはずの人間さんの言うことなのだ。 人間さんが口にすることならば、それはとってもゆっくりできることのはず。疑うことなんて何もない。 そして、お出かけれいむだけではなく、赤ゆっくりの心も一つ。 おうちに早く帰りたい。 れいむ一家は「ゆっ」と一つ頷きあって、それから一斉に人間さんへと顔を向けた。 「ゅんっ、ほんちょ?」 「にんげんしゃんはゆっくちできるね!」 「ゆっ、ありがとうにんげんさん! れいむ、とってもうれしいよ!」 そして顔の次に向けるのは、感謝感激雨あられ。 なんて人間さんは凄いんだろう。 れいむたちに出来ないことを簡単にやってのけるのだ。 「んじゃ、と……おい」 れいむたちが提案を受けれたことに、少年たちも満足そうにお互い笑いあった。 ただし、全員ではない。幾人かは、どこか不満そうな顔で仲間たちの行動を少し離れたところから見守っていた。 何か言いたげなその連中を一瞥して黙らせ、れいむを助けてやると請け負った少年たちはさっそくれいむ親子の周りに集まる。 ひょい、と男の子の一人がれいむを顔の両側から抱え込むようにして手を差し込んでくる。 少しびっくりしたけれど、れいむはそれに逆らわない。きっと、これからゆっくりできることをしてくれるはずだ。 次の瞬間、地面が、すぐ側にいた赤ちゃんが、目の前にどこまでも広がるように見えた川面さえも一気に遠ざかり、 視界が大きく広く拡大する。 その絶景、まるで鳥さんになったよう。 「ゆ? ゆーん、おそらをとんでるみたい♪」 「おしょらをとんじぇるみちゃい!」 気が付けば、赤ちゃんたちもいつの間にか少年たちの手にそれぞれつかまれている。 今まで目にした事がないような光景に出会っているのは、赤ちゃんたちも同じこと。 きゃっきゃと賑やかに声を交わすその様子は、とってもゆっくりできているようだった。 でも、『人間さん』の中には『ゆっくりできていない人間さん』もいたようだった。 「おい、やめなよ。いじめはよくないってけーね先生もいってただろ?」 「ゆぅ、いじめはゆっくりできないよ?」 少年たちの一人――仲間たちから先ほど距離を置いた少数派の少年たちの一人が、少し震える様子で上げた制止の声を聞いて、 れいむは思わず自分を抱える少年の顔を見上げて言った。 不満を洩らした人間さんは、れいむのかわいい赤ちゃんを持っていない。れいむたちより人間さんの方が数が多かったらしい。 「ゆー?」 「ゆゆっ?」 れいむのかわいい赤ちゃんたちも、きょとんとした顔を自分を手にした人間さんの顔へと向けていた。 それは、不満顔の人間さんが怒るのも当然だとれいむは思う。 こんなにもかわいらしい赤ちゃんを、手の上に載せて挙げられないというのはあまりにも不公平というものだろう。 独り占めなんていじめっこのすることだ。ゆっくりの世界では一番しちゃいけないことのひとつなのに。 「バーカ、いじめじゃないよ。儀式だ儀式」 「こないだ先生に習ったろ? 蜀の国の諸葛孔明は荒れた川を治めるのに人間の顔に似たお菓子を川の中に投げ込んだって」 「それが饅頭のはじまりだってね。だから、これが饅頭の正しい使い方だろ?」 「そうだけど、そうじゃないだろ。先生にバレたら怒られるぞ」 「ゆ……ゆゆー?」 人間さんたちのお話の内容は、れいむには難しくてわからない。 なんでケンカしているのかも、いまいちはっきりとはわかっていなかった。 わからないけれど、人間さんたちが普通にれいむたちを運んで川を渡してくれるわけではないことだけはわかった。 それはそうだろう。川はいつもより深くて急だ。 れいむたちに渡れないんだから、きっと人間さんにも危ないんじゃないだろうか。 だから、れいむたちにも渡れるように、逆に川さんにゆっくりしてもらうんだろう。 「ゆゆっ? ゆっくりりかいしたよ! かわさんにゆっくりしてもらうほうほうがあるんだね!」 「ゆー! ゆっくちできにゃいかわさんが、ゆっくちできりゅかわしゃんになるんだね!」 「ゆう、にんげんしゃんはすぎょいんだにぇ!」 赤ちゃんたちがいうように、人間さんは、やっぱりすごい。 川さんにゆっくりしてもらえる手段なんて、れいむどころかドスもぱちゅりーも知らないはずだ。 れいむは人間さんの会話を素直に受け取り、とても素直に感動する。 「実はそうなんだよ、れいむ。だから一緒にがんばろうな」 「あのなぁ……」 「ゆゆっ。よくわからないけど、れいむがんばるね!」 人間さんの一人がえっへんと胸を反らせて答え、別の一人が、「はぁ」と疲れたような吐息を吐いた。 ため息をついた一人はぶすっとした仏頂面で胸張る一人をにらみつけ、 「俺たち知らないからな」 「バラさなきゃ、先生だってわかんねえよ。っつーか先生に気づかれたらお前ら殴るからな」 逆に凄まれて「わ、わかったよ」と怯む。 やっぱり、れいむのあかちゃんを持ちたいのに、独り占めされてるから怒ってるんだ。 れいむはそう理解して、頭上の少年にわが子を宥めるような優しい声を掛ける。 「ゆぅ。にんげんさん、けんかはよくないよ?」 「よしよし、待たせたな。じゃあ行くぞれいむ」 少年は、れいむのいさめには答えない。変わりに笑って川のほうを見るようれいむに促した。 いよいよ、この川を渡れるようにしてくれるらしい。 れいむは先ほどの人間同士のやりとりなど忘れ、満面の笑みがパァっとれいむの顔に咲く。 「ゆーん。これからかわさんにゆっくりしてもらうおねがいをするんだね! ゆっくりがんばってねにんげんさん!」 「お前も頑張るって今言ってたじゃん……」 それは、期待通りの話題変更ではあったけど。 れいむの能天気な受け答えを聞いた少年と、彼の仲間たちの顔にいつしか強い嘲りと愉悦の色が浮かんでいた。 だが、近づく帰宅への期待に胸膨らませるれいむ一家は、頭上はるかな人間達の表情の変化に気が付かない。 気付けといっても、顔を直接見あげることの出来ない位置に固定されたれいむたちには無理な話ではあったが。 「……ゆゅっ」 れいむ一家が微妙な空気の変化に、なにも気が付くことのないままに。 一人の少年が赤れいむを掴んだ右腕をすっと身体の後ろに引いた。 唐突な動きに赤れいむはほんの少し驚いたようだったが、怯えの色は微塵もない。 人間さんはゆっくりできる存在で、ことにこの人間さんたちはれいむたちを助けてくれる特別ゆっくりな存在なのだ。 なんで恐がる必要があるというのだろう。 「おねえちゃん、りぇいみゅおしょらをふわふわすぃーってとんじぇりゅよー」 「きゃっきゃっ♪」 「ゆっくりできてるねおちびちゃん!」 「うまくやれよー、弥平次」 「任せとけって」 赤ゆっくりたちの歓声、それを見守る親れいむのゆっくりした声、はやし立てる周囲の少年たち、 そんな彼らに向けて空いた側の手でガッツポーズを作って応える少年。 何が起きようとしているかわかっている者と、何もわかってはいない者。 今だけは、お互いの感情は一致している。 「できればまりさにぶつけたいな」 「あ、それ面白そう。ぶつけたヤツが一等賞だ」 「ゆゆーん、もうすぐおうちにかえれるね!」 「おうちにきゃえったらおきゃーしゃんとゆっきゅちちようにぇ!」 即ち、これから起きること、その先に待つことへの期待と喜悦。 「んじゃ、第一球――」 「ゆっゆぅ、たきゃいたきゃい〜♪」 一瞬先には、その明暗はくっきり分かれてしまうのだが。 「――投げましたぁっ!」 「ゅ……ゅぅぅぅぅぅぅぅっっ!!?」 一瞬の静止から、サイドスローで少年がれいむを掴んだ腕を振りぬいた。 突然身体に掛かった強烈な加速感に、掴まれた赤れいむの歓喜の声が驚愕の叫びに変じたその瞬間、 すっかりゆっくりしていたれいむ一家の目には、わが子が、姉が、妹が、マジックのように消えうせたように見えた。 だから、川面の方から聞こえてくる同属の声を、すぐには誰のものか認知しない。 「ぁぁぁぁっ、いぢゃいっ! あびゃいっ!? えべべ……えびょっ」 ぱしっ! たしっ! じゅぶっ……じゃぼん。 ぎゅるぎゅるっ、と横回転を加えられた赤れいむは、確かに二回水の上を跳ね、三回目で勢いを失い、 それからつんのめるようにな軌跡を描いて、その次の着水であっさり流れの中に飲み込まれていった。 それは、いわゆる石切り遊びと呼ばれる遊びと同じものだった。 というよりも、石切り遊びそのものだ。使うのが、平たい小石ではなく、れいむ――ゆっくりであるということが違うだけで。 横投げで、投擲するものに強い回転を掛け、浅い角度で水面で跳ねさせてどこまで遠く、何回跳躍するかを競う。 投擲物は飛び去るうちに空気の抵抗を受けて回転数を減じ、着水時の抵抗力を失って最後には水中に没することになる。 たった今、赤れいむがあっという間に水没したように。 「……おちび、ちゃん……?」 「おねーしゃん……いにゃいいにゃいしゅりゅの?」 「いみょうと……れいみゅのいみょうと、きゃくれんびょしてりゅの……?」 ゆっくりたちが、ゆっくりと異変に気づいたころには、すでに川へ向かって投げられた赤れいむの姿はどこにもなかった。 音を立てて流れる清流の中に、一瞬餡子の黒が浮かんだが――それも一瞬のこと。 強い流れの中に溶けて消えうせ、投じられた生き饅頭の残滓は綺麗に何も残らない。 だから、れいむたちにはわからない。 なぜ、人間さんが先ほどまで手にしていたはずの家族がいないのか気が付かない。 順番にその身を襲うだろう、命の危機に気が付かない。 もっとも、それに気が付いたところで、文字通り生死を握られた状況ではなんら益するところはなかっただろうが。 「んあー、おしいっ!」 「どこがおしいのさ? まりさ、気付いてもないよ」 「次はせめて、まりさに水音が聞こえるぐらいに近づけろよな」 混乱するれいむたちの頭上で、少年たちが賑やかに言葉を交わしている。 だがきょときょとと家族の姿を探す一家に、その声は聞こえていても内容を理解することはできなかった。 理解できぬままに、次の危機は無情にもやってくる。 「っせえなあ。じゃあ助左、お前やってみろよ」 「任せろよ」 周囲のブーイングにすっかり拗ねた顔をする弥平次と呼ばれた少年に、助左と呼ばれた少年は不敵な笑いを浮かべて応じ、 彼と同じく赤れいむを掴んだ腕をすっと身体の横へと引いていた。 「……ゆ? おにーしゃん、あしょんでくりぇりゅの?」 「おう、遊ぶぞ。れいむで遊んでやる」 視線が急に水平に動いたことに驚いたらしく、掌中の赤れいむがずれた問いを発する。 そのずれた問いに返す少年の返答も、また少しばかり言葉をずらしたものだった。もちろん、こちらは意図的にずらしているのだが。 「ゆゆ……? りぇいみゅであしょぶにょ?」 姿の見えぬ姉妹を探すうちに心に浮かんだ一抹の不安が、幼い赤れいむにその問いを思い至らせたのだろうか。 微妙な言い回しに気が付いて鸚鵡返しに聞き返す声は、ほんの少し不安に揺れていた。 横目で親の方を見れば、やはり心の中に広がりつつある形容しがたい不安に瞳の光を揺らがせる、親れいむの視線と目が合った。 あるいは、腕を引いた少年のしぐさが先の赤れいむの消失のサインだったと思い至ったのかもしれない。 その未だ人間の善性を信じつつ、それでも禁じえないだろう不安の様子が、芽生え始めた人間への恐怖が、 少年に心地よい快楽を与えることを赤れいむはついにその死までしることはなかった。 「そうだ。おねえちゃんのあとに、つづけぇっ!」 「ゆあっ、ゆぅぁぁぁぁぁっ!?」 少年の威勢のいい掛け声と、赤れいむの恐怖と驚愕が相半ばした悲鳴が川原に響く。 今度ははっきりと、親れいむたちは家族が消滅するプロセスを順序だてて目にすることが出来た。 「れっ、れいむのおちびちゃああああんっ!!!」 「……ゅぁ?」 「おっ、おねえちゃあああぁぁぁん!!」 家族の絶叫がとどろく中、六尋ほど先の川面から小さな水音がじゃぽんと聞こえた。 今度のれいむは短い跳躍を五回繰り返し、異常を感知して漕ぐ速度を上げたまりさ一家にほんの少し近づいて、死んだ。 最初の赤れいむと同じく、この世に生きた証を何も残すことはなく、親に最後の言葉を遺すことすらなく、跡形なく溶け崩れて死んだ。 「なっ……れいぶのおぢびぢゃんだぢがっ……。にんげんざん、ごればどういうごどおおぉぉっ!!」 れいむは信じたくなかった。 これが現実だと信じたくはなかった。 娘がいきなり川の中に投げ込まれ、あっけなく死を迎えたことが現実の世界に起きたことだとは信じたくはなかった。 先ほどと変わらない笑顔をれいむに向けて見下ろしている人間さんが、こんな非道を唐突に行う存在だと信じたくはなかった。 「儀式するって言ったじゃん」 その祈るようなれいむの願いを、少年たちは笑顔のままあっさりと折り砕いた。 「饅頭を川に投げ込むって言ったろ。聞いてなかったのか、お前?」 「おまえら饅頭なんだからさぁ。その時点で気づけよ」 馬鹿だなぁ、と笑う少年たちの口元には、れいむにもわかるほどくっきりと嘲りが浮かび上がっていた。 それを見てれいむは、生まれてはじめて憎しみというものを知った。 生まれてはじめて絶望というものを知った。 生まれてはじめて悪意というものが存在することを知った。 それらは全て、ゆっくりできるはずの人間という存在から与えられた。 つい先ほどまで、共にゆっくりしていたはずの、人間さんから。 「でいぶのあがぢゃんはまんじゅうじゃないいぃぃっ!」 「饅頭だよ、キモチ悪いしゃべる饅頭。ほら、その証拠に」 「……っ!!」 「ぃぎゃあああぁぁぁぁっ!!?」 「ほぉら、餡子入りの饅頭だ」 一瞬の躊躇もなくれいむの右頬を毟り取った少年は、身を襲う激痛に泣き喚くれいむの鼻先にそれを突きつけてけたけたと笑う。 やがて苦痛に身を捩るばかりで突きつけられた事実に反応を見せないれいむに飽いたのか、千切ったその部分を川の中に投げ捨てる。 「おきゃーしゃーん!?」 お楽しみは、まだまだあるのだ。 このゲスしかいない屑饅頭の分際でクソ生意気にも、親を案じるようなミニ饅頭を筆頭にして。 「おきゃーしゃーん、じゃねぇよ。ほらさっさと飛べ」 「ぉきゃーしゃんをいじめりゅ……にゃぁああぁぁぁ、おねーちゃんがぁぁぁぁぁっ!!?」 「ゅぁぁっ、れいみゅしにちゃくにゃ……ゃぁぁぁぁぁっ!!!」 頬を大きく千切り捨てられて、身を絶えず苛む激痛にほとんど麻痺していた親れいむの精神がようやく我を取り戻したのは、 愛するわが子の怒りや悲しみに満ちた絶叫が次から次へと飛ぶように遠ざかるという恐るべき事態に直面してからだった。 「ぉあ、あああああっ! おぢびじゃあああああああん!!」 我に返ったところで、もう遅い。 我に返ったところで、何も出来はしない。 親れいむにできることは、命に代えても惜しくはない愛するわが子達が、 次から次へと決して対岸に届くことない死への跳躍に駆り立てられる姿を見送ることだけ。 いや、そもそも描かれる軌跡は対岸へと向けられてすらいない。 すべて、川の中ほどまで進んだ他所の群れのまりさの家族へと向けて投げられているのだから。 「沈め、沈め!」 「あーっ、当たらねぇーっ!?」 「丸すぎてちゃんと飛ばないんだよ。やっぱ何に使ってもだめだな、ゆっくりって」 少年たちが楽しげに笑い、天を仰いで嘆くたび、 「ゅびゃぁぁぁぁぁっ、ゆびぇっ、ぃゃだっ、たじゅけぶびゃ!?」 「ゅぎゃっ! ゅぐぅっ、おぎゃーじゃばばっ!!」 「やだやだれいみゅおちょらとびちゃくにゃ……ぶぎゃぅ……」 赤れいむの声が遠く、彼方へ遠ざかっていく。 二度と親れいむの肌が触れ合えない彼方へと。 投じられた赤れいむの誰一匹、対岸にたどり着くことはなかった。 親れいむと一緒にお散歩に出かけた誰一匹、二度とおうちに帰り着くことはなかった。 六匹全てが、親れいむの目の前で川のせせらぎの中に没して溶けて崩れて死んだ。 親れいむは叫び続けた。全てが終わるまでずっと叫んでいた。 よほど強く投げられたのだろう、最後の一匹は最初の着水の衝撃に耐え切れずに弾けて死んだ。絶鳴すらなかった。 吹き飛んだ餡子が川の中に沈み、リボンが流れに乗って視界から消え去る頃には両の目から流れ出る涙も、 悲鳴を上げるべき喉も枯れ果て、乾き切っていた。 「あ゛……ゅあ゛あ゛……」 頬に痛々しく開いた傷口の痛みすら、もう欠片も感じない。 後に残ったものは、れいむの中を満たすものは、全てを失った絶望だけ。 少年の腕に抱かれて、れいむは生きながらにして死んでいた。 「もぉ、やだぁ……おうち……かえれない……」 あるいは、自分が殺される順番を待ちわびていたのかもしれない。 もう、おうちで待つ伴侶のれいむに会わせる顔などあろうはずもなかった。 生気のないうつろな眼差しを対岸にあるおうちの方角へ向け、在りし日の幸せな生活を、去りし日の安らぎに満ちた家族を想った。 それを壊したのは他の誰でもない、自分だ。 自分が子供たちに早く外の世界を見せてあげたいなどと思わなければ、 きちんと理由立てて反対してくれた伴侶れいむの言葉に耳を傾けていれば、 外の世界に出たとしても、調子に乗ってこんな遠くまで遊び歩かなければ。 「れいむが……れいむがばかだから……みんな、みんな……」 幾つものif全てで、れいむは死に繋がる選択ばかりを選んできた。 今考えれば、れいむにも如何に愚かな試みだったかが嫌というほどによくわかる。 だって、こんな最悪の結果を迎えてしまったんだから。 だから、れいむにはもうゆっくりできない人間たちをうらむ心はなかった。 ここで彼らに会わなかったとしても、きっとどこかで自分たちは死んでいただろう。だって、れいむはとびきりのばかだったから。 生きていることが罪になるほどの、誰もゆっくりさせてあげられない、自分の子供さえゆっくりさせられないゆっくりだから。 今からこのゆっくりできない人間さんたちから与えられるだろう死は、れいむにとって当然の罰なのだと思えた。 「れいむ……ばかでごめんね。れいむをおいてっちゃうことになるけど……せめて、おちびちゃんはあっちでりっぱにそだてるよ……」 だから、れいむはこっちでゆっくりしてね。 心のそこからそう願い、れいむはゆっくりと目を閉じる。 次にくるのはお空を飛ぶ感覚か、れいむの身体を何かが破壊する激痛か。どちらでもよかった。 全てを受け入れる心は出来ていた。与えられるものが死であるなら、どんな苦痛を伴うものでも構わない。 「おーい、何言ってんだよ」 「ゆぅ……?」 与えられるものが、死であるなら。 「お前はおうちに帰るんだよ」 「……ゆ゛!?」 誰が、生など望むものか……! 「お前をおうちに帰すために、ガキども川に投げ込んでやったんじゃないか。お前が帰んなきゃどうすんだよ」 だというのに。少年の笑顔が、れいむの心を痛烈に一打ちして蘇生させた。 ま、水が収まるまでゆっくりしろよ。少年はにやにやと嫌な笑いを浮かべてそう告げた。 れいむの願いと対極をなす、あまりにも残酷な言葉をそんな笑顔で淀みなく告げた。 「……あっ、あがぢゃんみんなじんじゃっで、ごろされぢゃっでがえれるわげないでじょおぉぉ!?」 だがそれに驚き、叫ぶれいむは本質を理解していない。 自分を抱えたままの少年が、いったいれいむに何を望んでいるのかを。 当然、ことの本質を理解しようともしていないれいむの抗議になど、少年はまるで取り合わない。 そうやって、れいむの身体ではない、心を苦しめ、痛めつけることが目的なのに、この饅頭はまるでわかっていないのだから。 楽しげに笑う少年の意図を、れいむはまったく理解しない。 理解しないままに、少年が望むままに苦しみ、悶え、のた打ち回る。 「ごろじでっ! あがぢゃんだぢどおなじみだいに、ごろじで! すぐごろじで! れいぶをごろじでっ!!」 「あっそう。じゃあ好きにしろよ。とりあえず傷は直しておいてやるから」 「ゆびゅっ!?」 なおも殺してくれと喚きたてるれいむに、少年は肩から提げた布地の鞄から竹筒の水筒を取り出した。 そこから頭に振りかけらた液体が目に染みて、思わずれいむは悲鳴と共に目を閉じる。 一瞬、ゆっくりが死ぬことのできる毒か何かと期待したが、もちろんそんなものではなかった。 それどころか、引き裂かれた頬の傷口があっという間に痛みを失っていくのがわかる。 恐る恐る、髪を伝って口元に一筋の流れを形作ったその粘度の高い液体を舐めてみる――とても、甘い。 傷つき、死をひたすら望むほどに疲弊した心すら、油断すると癒してしまいかねないほどにその液体は甘かった。 それが水あめというあまあまなたべものであるとまでは、まったく野生で育ってきたれいむは知らない。 「じゃーな」 別れを告げるその言葉に我を取り戻した時には、頬の痛みはまったくなくなっていた。 頭に注がれる液体も、いつのころからか途絶えている。慌てて目を開けたれいむの 先のれいむの懇願など気にも留めず、いっそ丁寧なぐらいゆっくりと、安定した岩の上にれいむを置いて手を振っていた。 岩場から飛び降り、れいむがその背中を追う頃にはすでに少年たちの姿はずいぶん先にある。 「まっ、まって! おいでがないでっ!」 「礼はいらないぞー」 「あと一日も待ってりゃ水は引くと想うぞ。よかったな、赤ちゃん死なせた代わりに家に帰れるぞ」 まあ、多分ちびが死ぬのと水が引くのは関係ないけどな。 そう言って、少年たちはどっと愉快そうに笑いあっていた。 「でいぶをごろじで! ごろじでよぉ!」 「やーだよ。死にたきゃ勝手に死ねば?」 れいむが泣けば泣くほど、叫べば叫ぶほど、少年たちは楽しそうに肩を震わせて笑った。 顔がキモい、声がキモい。ガキ殺したぐらいで必死なのがキモい。 理由を挙げ、せせら笑い、だが川原を離れる歩みは止めずに、れいむからどんどんその姿が離れていく。 「おでがいじばず! でいぶをごろじでぐだざいっ! れいぶを、でいぶをあがぢゃんのどごろにいがぜでぐだざい! おねがいじばず、おでがいじばぶっ!!」 れいむは泣き喚きながら、追いかけた。 精一杯、尖った石が親れいむの底面を抉り、切り裂く痛みなど気にもならなかった。 致命傷には至らない痛みなどどうでもよかった。 ひたすらに、自分の命を少年達が摘み取ってくれることを希った。 彼らがれいむ自身の命よりもはるかに重い、赤ちゃんたちの命を遊びのために全て流し去ってしまったように。 だが子供達は無情にも、れいむの願いなど一顧だにせず嘲り笑いながら走り去っていく。 どんなに跳ねても、どんなに飛んでも、その背中にれいむが追いつくことは決してなくて。 「どぼじで! どぼじでごろじでぐれないのおぉぉぉ!!」 ただ、痛々しい親れいむの絶叫だけが、誰もいなくなった川原に轟いた後。 しばらくして、大きな水音がひとつ新たにバシャンと響き、川原は元の静けさを取り戻した。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1486.html
*警告* 現代物です。 80字改行です。その辺案配していただけると読みやすいです。 うんうんあります。 ↓以下本文 「おねえさん! かわいいれいむをゆっくりさせてね!」 家路を急ぐ私を呼び止めたのは、バレーボールより少し小さい、紅白のおまんじゅう だった。amazonの段ボールにはまりこんだ、ふてぶてしい顔。おでこに『ひろってくださ い』と書かれた紙が画鋲でとめられていて、キョンシーのお札みたい。 「ゆっくりかぁ。拾ってあげてもいいけど……あんた一匹?」 「れいむはひとりだよ! ゆっくりていせいしてね!」 「さよなら」 「まってね! れいむはいっぴきだからいっしょにゆっくりしてね!」 「ふーん」 「おねがいしばず! せっかくだからでいぶをゆっくりさせてくだざいい!」 こうして私はゆっくりれいむを手に入れた。 「ただいまぁ」 「ゆっくりするぶぎゅ!」 靴を脱いでいる間に箱から飛びだそうとするれいむを、慌てて押しとどめた。土足で踏 みにじらせるとかありえない。 「あんた汚いでしょ!」 「でいぶはきたなくないよ!」 「いいからあたしが着替えるまでおとなしくてなさい。箱から出てたら叩き出すわよ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 とりあえず額のお札だけ剥がして、玄関に置いておくことにした。着替える間、意外にお となしく待っていたれいむを箱から取り出す。両手で持ちあげると、落ち着かないのかぷ るぷる左右に震えてる。 「ゆふーん、はずかしいよ!」 まんじゅうのクセに顔を染めないで。キモいから。れいむを小脇に抱えると、お風呂場に 放り込んだ。一応これ、食品でいいのよね。桶にためたぬるま湯で、中性洗剤を適当に薄 める。 「お、おねえさん! みずさんはゆっくりできないよ!」 「あんたが汚いとあたしもゆっくりできないの」 「やべ、やべでがぼっ!」 白目になって歯を剥いているれいむを構わず両手で沈めると、なんかものすごい悲鳴をあ げはじめた。目と口からしみてるんでしょうね。あとでジュースかければ復活するでしょ。 私は痙攣している間に洗ってしまうことにした。 皮を破ってしまわないよう、気を付けて揉み洗い。地面に触れている底はとくに念入り に。ゆっくりだし、髪の毛も洗剤でいいや。ざぶざぶ洗って泡をシャワーで流したらでき あがり。あとは布巾ででも水気を取って、ドライヤーで乾かせばいいかな。 「ゆっ、ゆっ? すっきりー!」 「あたしが洗ってあげたんだからね」 「おねえさんゆっくりありがとう!」 テーブルに置いた布巾の上で白目を剥いているれいむを肴に、湯上がりのおビールを嗜 んでいると、半分くらいになった頃にやっと復活した。奇麗に洗って乾かしたから、寒空 に晒されていた時と比べてなかなかもっちりぷるんぷるんになっている。どういうわけか、 それは自分でもわかるみたい。もにもにと自分を確かめて、嬉しそうな顔をしているれい むを横目で見ながらビールを一口。 「ゆっ! おねーさん、ゆっくりできそうなおかしだね!」 「あ、ダメ!」 私が手を出すよりはやく、れいむはおつまみにしていた柿ピーの小皿に顔を突っ込んだ。 「むーしゃ、むーしゃ、ゆ゙ぎゃ゙あ゙あ゙!」 ガクガク痙攣し始めたれいむの半開きの口に手を突っ込んで、柿ピーを取り出す。ゆっく りは本当に人の話を聞かないのね。こいつが捨てられたのもわかる気がする。口から垂れ ている砂糖水を布巾で拭いて、べたべたする手を洗う。 「これどくだよ! しぬかとおもったよ!」 「これに懲りたら人間の食べ物を食べようとしないことね」 そうは言っても、ゆっくりの餌になるようなものはよく考えたらウチにはないような。 「あー」 そういえば、去年くらいに買ってそれっきりの缶詰のあんこがあったはず。台所をがさが さ探すと、ツナ缶のところにやっぱり缶詰があった。これならゆっくりでも食べられるは ず。別に温めなくてもいいよね。缶切りであけて二掬いくらい小皿にとった。ゆっくりの エサは明日買ってくるとして、それまでこれでもたせよう。 「ほい。おかわりはないからね」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 うわっ、一舐めで食べちゃった。涙まで流して喜んでるみたいだし、これでよさそうね。 このあんこゆっくり100%だから、毒になるってことはないでしょ。置いてある物には絶対 触らないとか、騒がないとかなんやかや教えてる間にうつらうつらし始めたから、段ボー ルに雑巾敷いた巣箱に放り込んだ。下膨れのウザ可愛い寝顔をつつくと、ゆぷー、だのぷ にゅー、だの寝言を言い始めた。おとなしくしていれば、こんなのが部屋にいても別に嫌 じゃないような気がしてくるのが不思議なものね。 「なんであんこが落ちてるんだろ」 「れいむのうんうんだよ!」 なんですとー?! まんじゅうのくせにうんうんとか、しかも床に! 私のどようびー は朝からぶちこわしです。本当にありがとうございました。軽くググったら、ゆっくりに はうんうんと称して古くなったあんこを排出したり、しーしーと称して砂糖水を出す種類 もいることがわかった。そして、簡単にその機能が排除できることも。あんこは拾って捨 てるだけだけど、砂糖水をその辺に撒かれたりしたら、たまったもんじゃない。 「おねえさん、れいむとゆっくりしてね!」 「少し待ってなさい」 足にぼいんぼいん体当たりしてくる柔らかい物体を軽く踏んづける。ぶにょっとした感 触が逃れようともがくのは、なかなか珍妙でくすぐったい。さっき動画で見た通りに小麦 粉を水で練って皮をつくって、昨日あけたあんこ缶を冷蔵庫から出しておく。 「ゆっ、ゆっ?」 「あったあった、これね」 ひっくり返すとそれらしいすぼまりがあった。ゆっくりがまむまむとあにゃると称する 器官のようなもの。ひっかき傷のために犬猫の爪を抜いてしまうのは可哀想だし、何か違 う気がする。飼い主の義務の避妊手術とは違うと思うし。でもゆっくりは生き物じゃない。 人間の都合で飼う、生命の尊厳ある動物とは違うんだから、いちいち面倒につきあうのは イヤ。私はれいむの下膨れのあごのあたりにりんごの芯取りを押しあてる。あんまり気持 ちのいいものじゃないけど我慢がまん。 「おねえさん、なんだかちくちくするよ! ゆっくりやめてね!」 ゆっくりとは、うまくつきあうコツがある。常に強気であたること。理解するまで教え ること。言うことに耳を貸さないこと。どうせ大したことは言ってないから。 「ゆ゙ぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」 じたじた暴れるれいむを押さえつけ、芯取りをねじこむ。皮を突き抜いてしまえば、あと は中身のあんこだけ。いっぱいまで突き入れた芯取りを引き抜くと、皮とあんこが繋がっ てまとめて出てきた。れいむが白目になって固まってる間に、次の処置。昨日のあんこを 際まで指で詰めて、さっき練っておいた皮でふたをして、指の腹で伸ばしてひろげる。 ぎゅっとおさえて張り付けたらできあがり。次は後ろを向けて、あにゃるも同じようにま わりごとくりぬいて、あんこを詰めて小麦粉で塞ぐ。二回目になれば慣れたものです。こ んな技術には習熟したくないものです。 「おねえさん、うごけないよ! れいむをゆっくりおこしてね!」 「今起こしてあげるから、ゆっくり待ってなさい」 朝ご飯のゆっくりシリアルをぼりぼり食べていたら、台所に放置されていたれいむの声 がする。知らなかったけどゆっくりはひっくりかえしておくと動けないみたい。今度何か 悪さしたらひっくりかえしてお仕置きね。 「おー、ぴっちりふさがってる」 「ゆゆっ、くすぐったいよ! おねえさんなにいってるの?」 「こっちの話」 裏返しのれいむのあんよのあたりを撫でてみる。皮は完全に馴染んで、そこに器官のよ うなものがあった形跡はカケラもない。ひっくり返してやると、ぽいん、と飛び降りて、 こちらを向いて嬉しそうに跳ねた。 「ゆっくりしていってね!」 「はいはい、ゆっくりしなさいよ」 以降、れいむがうんうんやしーしーをすることはなくなった。単に塞ぐだけじゃなくて、 そのあたりの中身ごと切除すると、自分がそんなものを出していたことも忘れるみたい。 後日、私が出かけている間にれいむがおうたと称してゆんゆん騒いでいたそうで、目玉 を取り外して手を突っ込んで、左上あたりのあんこを一掴み入れ替えるハメになったのは また別の話。 書いた物リスト 紅魔館×ゆっくり系12 突発ゆっくり茶会 ゆっくりいじめ系464 森に魚を求める ゆっくりいじめ系540 ゆっくり水雷戦 ゆっくりいじめ系1097 アストロン ゆっくりいじめ系1014 どすのせいたい ゆっくりいじめ系1907 品評会 ゆっくりいじめ系2137 朝の光景 ゆっくりいじめ系2200 街はゆっくりできない その他 ゆっくりの手引き ゆっくりいじめ小ネタ259 緩慢しんぼ ゆっくりいじめ小ネタ364 ぱちゅりーにごほんをよんであげよう
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2605.html
しっかりゆっくりとうっかりゆっくり 13KB 虐待-普通 制裁 愛で ギャグ パロディ 小ネタ 変態 飼いゆ 野良ゆ ゲス 希少種 都会 現代 独自設定 ガ板ネタがちょっとあります ・この話には愛でられるゆっくりとそうでないゆっくりが出てきます ・一部の賢いゆっくりは漢字を使って喋ります ・作者に都合の良い独自設定があります ・色々とパロった部分があります ・このSSを書いたのはHENTAIあきです!いつもどうりのSSだよ! ・それでもいいというひとはゆっくりよんでいってね!!! 休日の朝にお兄さんが惰眠を貪っていると、隣の部屋から何やらごそごそと音がする。 眠りから覚めたお兄さんが隣の部屋に行ってみると、まるで台風でも来たかのように部屋が荒れている。 野良ゆっくりにでも侵入されたかと思ったお兄さんは、部屋の中を見て回る。 「お兄さん大変です!しょうのお飾りが無くなってしまいました!一緒に探してください!」 そこには確かに部屋を荒らしたゆっくりがいた。お兄さんが飼っている胴付きのゆっくりしょうである。 しょうの頭には赤い蓮の花のようなお飾りが確かに無かった。 「分かった分かった。だけど探す前に部屋を片付けようぜ。」 呆れながらも、もう慣れてしまっているお兄さんはそう言ってしょうを優しく撫でる。 ゆっくりしょうは何故か分からないが、よく大切なもの無くしてしまう。 ご飯や宝物を無くすのは当たり前、ひどくなると今回の様にお飾りや飼いゆっくりの証のバッジまで無くしてしまう。 あまりにもよく物を無くすので、研究者の間には一時てんこやてゐのように飼い主の気を引くために わざと物を無くしているのではないかと考えられていた。 しかしわざと無くすわけではなく、本当にいつのまにか無くしてしまっているのだ。 「ありがとうございますお兄さん!お飾りがないとゆっくりできません!」 涙で目を濡らしてお兄さんにお礼を言うしょう。体の水分が無くなるのではないかと思うほど目から涙が出てくる。 お兄さんの飼っているしょうは大抵泣いている。物を無くしたり感動したりと非常に泣きやすい。 「またお飾りを無くしたのかいご主人。いい加減お飾りに紐でも付けたらどうだい?」 部屋に入ってきたのはお兄さんがもう一匹飼っている胴付きのゆっくりなずーりんだ。 なずーりんが寂しくないようにと後からしょうを飼ってきたのだが、今ではすっかりなずーりんがしょうの探し物係りだ。 「お兄さん、ご主人が探しちゃまた部屋が荒らされちゃうよ。いつもみたいに私とお兄さんで探そう。」 「そうだな。じゃあしょうはあっちの部屋に居といてくれ。」 「しょうだけ一人にしないでください!寂しくてゆっくり出来ません!」 泣いている顔をさらに歪ませるしょう。本来ならしっかりものの賢いゆっくりのはずなのだがそんな風には見えない。 「じゃあ今日のおやつを買ってきてくれねえか。買い置きのおかしがもう無くなっちまったんだ。」 「分かりました!虎屋の芋ようかんでいいですね?」 お兄さんからお金とバッグを受け取ると、泣いていた顔を引き締めるしょう。 この顔だけ見れば優秀な飼いゆっくりにも見える。そうしてしょうは買い物へと出かけて行った。 「さて、早くしょうのお飾りを見つけてやらねえとな。なずーりんいつもの頼むぞ。」 「分かったよお兄さん!なずーりんに任せれば全部安心だよ!」 さっきまでとは違いお兄さんに甘えた声で張り切るなずーりん。本当はもっと甘えたいが、 しょうのおかげで中々お兄さんに甘えることが出来ずにこんな時ぐらいしか甘えられないのだ。 「えーと、この辺から反応があるよ!」 「ここだな。今片付けるから、ちょっと待っててくれ。」 尻尾を使ってダウジングを行いしょうのお飾りがあると思われる場所を示すなずーりん。 お兄さんはさっそく辺りを片付けると、見えなかった床にしょうのお飾りが埋まっていた。 「あった!これで後は掃除をして、しょうが帰ってくるのを待つだけだな。」 「でもお兄さん。ご主人はちゃんと帰ってこれるかな?」 そう言われて固まるお兄さん。今まで買い物をさせるときはなずーりんと一緒だった。 初めての一人でのおつかいであり、心配したお兄さんは慌てて外に出ていく。 しょうは無事に買い物を済ませてお兄さんの家へと帰っていた。 いつも行っている店であり迷うことにはならずに済んだが、お飾りを付けていなかったために野良に絡まれることになっている。 「なんだかゆっくりできないゆっくりがいるよ!こんなゆっくりがあまあまをもっているのはおかしいよ! だからかわいくてゆっくりしてるれいむがもらってあげるよ!」 「駄目です!これは私とお兄さんとなずーりんの大切なおやつなんです!」 丸々と肥え太った一匹の薄汚れたでいぶがとんでもない理論でしょうからあまあまを奪おうと袋を引っ張っている。 必死にお菓子の入った袋を引っ張っているしょうだが、でいぶのクソ力なのかお兄さんに頼まれたお菓子を盗られてしまった。 「むーしゃむーしゃ!!!ししししあわせえええええええええええええええええええ!!!」 「ああ、お兄さんが大好きな虎屋の芋ようかんが・・・。」 傍若無人なれいむはさっそく袋を漁って中のお菓子を貪る。その姿はまさに醜い。 お菓子を盗られてしまったしょうは、ただ泣きはらしている。 「ゆゆゆ!!!なんだか体が大きくなってるよ!!!」 お菓子を食べて満足していたれいむだったが、急に体が大きくなった。 元々太っていたが、巨大化した結果体長二メートルほどの大きさになりミニドスのようなゆっくりになっている。 中身が増えて賢くなったのか、言葉遣いも少し変化した。 「ゆふふ!やっぱりれいむは偉大なゆっくりだったんだね!こんなに大きくなるなんて、れいむは選ばれたゆっくりなんだね!」 賢くはなったかもしれないが、頭自体は良くないようである。 ひとしきり笑うと、驚いて硬直してしまっているしょうにでいぶは体を向けた。 「これからはれいむの時代が始まるよ!とりあえずお飾りがないゆっくりは皆せいっさいだよ!強くってごめんねぇ~!」 じりじりとしょうに近寄っていくでいぶ。逃げようとするしょうだが腰が抜けてしまいその場で座り込んでしまっている。 でいぶが大きく跳躍し、しょうの上に圧し掛かろうとしたその瞬間お兄さんがでいぶに向けて回し蹴りを放った。 「キャオラッ!!!」 「ゆぎょっぶッ!何するの!?れいむは選ばれた特別なゆっくりなんだよ!」 間一髪しょうを見つけることができたお兄さんは震えているしょうを安心させるために傍に近寄る。 一方の蹴り飛ばされたでいぶは痛がってはいるが、致命傷ではなくまだぴんぴんしている。 「オラそこの糞饅頭、見逃してやるからさっさと消えちまいな。」 「何も分かってないみたいだね、れいむは選ばれた特別なゆっくりなんだよ! 人間さんだろうとれいむの言うことは聞かないといけないんだよ!」 どうしてそんな考えに至るのか分からないが、れいむの中ではすでに自分がこの世の王であることが決まっている。 そんな自分の命令を聞かないものはすわなちゲスであり、自らせいっさいしなければならない。 「馬鹿でゲスな人間さんはゆっくりしないで死ね!!!」 でいぶの体当たりを受けて吹っ飛んでいくお兄さん。その姿を見てでいぶは満足し大きな笑い声をあげる。 にんげんだろうともはや王たる自分には敵わない。これからはあまあまや可愛いおちびちゃんでゆっくりするんだ! でいぶの脳内に輝かしい未来が描かれる。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛ッッッ・・・。」 もちろんそんなことはゆっくり特有の死に際の妄想である。現実のでいぶはお兄さんの正拳突きによって 奇麗に体の真ん中にある中枢餡を破壊され、今やただうめき声をあげる物体でしかない。 顔に大穴を開けているでいぶをほっておき、お兄さんは泣いているしょうを泣きやませるため忙しい。 「お兄さんごめんなさい!しょうはお買い物も出来ない駄目なゆっくりで!」 「嫌気にしなくていいぜ。そんなことより早く羊羹を買い直して家に帰ろうぜ。なずーりんも待ってるし。」 そう言って仲良く手をつないで歩いていくお兄さんとしょう。 後に残されたのは顔に穴を開けて痙攣を続けているでいぶだけが残った。 お兄さんとしょうが家に帰ってきたときには、なずーりんによって部屋の掃除も終わっていた。 お飾りも見つかり部屋の掃除をしてくれた二匹の為に、お兄さんは少し早いがおやつの準備を始める。 今日のおやつは皆が大好きな虎屋の芋ようかんに、温かい日本茶だ。 「「「いただきます!」」」 楽しいおやつタイムが始まろうとした時に、突然空中に何やら謎のスキマが現れる。 そしてスキマの中から少女臭溢れる一匹のゆっくりが出て来た。 「御機嫌ようお兄さん。今日もかっこいいわね。」 「うげ!ゆかり!?」 お兄さんが苦虫を噛み潰したような顔で、現れた胴付きのゆっくりゆかりを見る。 希少種の中でも珍しいゆかりの中でも、このゆかりは珍しいスキマ能力を持っている。 そのためどんな場所からでも自分が好きな場所へと移動することができる。 「そんな嫌そうな顔しないでお兄さん!ゆかりはお兄さんの為ならなんだってしてあげるのよ!」 「分かったから服を脱ぐな!?俺はHENTAIじゃないんだよ!」 「そうです!お兄さんの始めてはしょうが貰うって決まってるんです!」 「御主人・・・、どさくさに紛れて何を言っているんだい?」 服を脱いで誘惑しようとするゆかりに服を着させようとするお兄さん。 いつ出会ったのか分からないが、このゆかりはお兄さんにぞっこんなのだ。 様々な方法を用いて既成事実を作ろうとしているが、お兄さんのガードは固くしょうやなずーりんに何度も邪魔されている。 「ほらお兄さん、早くゆかりで勃起してね!勃起したら一緒にベッドで大人のプロレスごっこをしましょう!」 「何てハレンチなことを言うんですか!お兄さんはそんな下品なゆっくりになんて欲情しません!」 HENTAIでないからどんなゆっくりにも欲情しないのだが、お兄さんが大好きなしょうはそうは考えない。 もしかしたら自分の着替えを見てむらむらしているのではないかと、そんな妄想で頭がいっぱいである。 「相変わらず邪魔ね貴方は。いい加減ゆかりとお兄さんの恋路を邪魔しないでほしいわ。」 「そっちこそお兄さんとしょうの生活にちょっかいを出さないでください!」 すっかりヒートアップしてしまっているゆかりとしょうは、キャットファイトじみた喧嘩を始めてしまう。 お互いの髪や服を引張りあい、しまいには噛みつくまでになったので慌ててお兄さんとなずーりんが止めに入った。 「お前らやめろ!これ以上喧嘩するなら俺も怒るぞ!」 「御主人もやめて!いい加減にしないとお兄さんに迷惑がかかるよ!」 さすがに止められて二匹は喧嘩をやめるが、お互いに睨みあったままだ。 両者はまさに恋のライバルであり決して相容れる存在ではない。 「喧嘩なんかしないで仲良くおやつでも食べようぜ?ゆかりとしょうもそれで仲直りしてくれよ。」 「分かったわお兄さん。」 「ここは一時休戦ですね。」 お兄さんの謎の魅力によって落ち着く二匹。喧嘩をしてライバルを減らしてもお兄さんに嫌われては意味がない。 行儀よくゆかりとしょうが椅子に座ると、お兄さんはほっとする。 「それじゃあもう一度。」 「「「いただきまーす!!!」」」 仲良く声を揃えて挨拶が出来るので実は仲が良いのではとも思える。 美味しそうに羊羹を食べているゆっくりをお兄さんは微笑ましく眺めていた。 こんな形でお兄さんの休日は終わろうとしていた。明日に備えて眠りに就こうとした時誰かが部屋に入ってきた。 「なんだなずーりんか。こんな時間に何か用か?」 部屋に入ってきたのはなずーりんであった。お兄さんの傍に近寄ると無言で抱きついてきた。 抱きついてきたなずーりんをお兄さんも優しく抱き締めて頭を撫でる。 「また寂しくなったのか?相変わらずなずーりんは寂しがり屋だな。」 「だってお兄さんはいつもご主人やゆかりばかりにかまって私にかまってくれないじゃないの!」 不満で顔を膨らませながら、なずーりんはお兄さんに不満を言う。 まるで駄目なご主人であるしょうの世話や自分の為にあまり負担をかけたくないと考えているなずーりん。 しかしそこはやはりゆっくりである。本来ならもっと飼い主とも遊びたいし甘えたいのだ。 「今日もあいつらを仲裁してくれてありがとうな。あんまりかまってやれないから今夜は甘えて良いぞ。」 その言葉を聞いてなずーりんはお兄さんの体に全身を擦りつける。親愛の表現方法であり、自身の所有を主張するマーキングだ。 たっぷりとお兄さんの体を堪能すると、こんどはお兄さんの布団へと潜り込む。 「おいおい、流石に一緒に寝てやらねえぞ。何度も言うが俺はHENTAIじゃないんだ。」 「分かってるよ。だけどお兄さんの匂いがして良い気持ちになれるの。」 トロンとした表情で布団から顔を出すなずーりん。いけないと分かっているがその手は自分の敏感な所に伸びている。 お兄さんと話をしながらも、少しづつ快感を覚えるなずーりんの体。 そしてなずーりんの体がビクリと震えると、なずーりんは布団から出てくる。 「お兄さんありがとうね。もう遅いからなずーりんはお部屋に戻るよ。」 「おう、お休みなずーりん。」 部屋から出て行くなずーりんを確認すると、お兄さんは溜息を吐きながら布団を確認する。 「また一人すっきりーしたのか。やっぱしょうは番じゃなくて主人だと思ってるのか?」 そんなことを愚痴りながらお兄さんは少し湿った布団を複雑な思いで見る。 ゆかりやしょうもそうだが、なずーりんもまたお兄さんにぞっこんである。 嬉しいとは感じているが、それはあくまでも慕われる気分であり恋愛感情とは違う。 もしかするがいつか三匹の思いのうち誰かの気持ちが、お兄さんに届く日も来るかもしれない。 おまけ ゆかりの求愛を断るお兄さんはしまっちゃおうねー 「なずーりん大変です!お兄さんがいなくなってしまいました!」 「それは大変だよご主人!?一刻も早く探さないと!」 「失礼します。ここは加藤さんのお宅ですか?」 「ひぃ!何だか恐いおじさんが来ました!」 「御主人落ち着いて、お客さんに失礼だよ。」 「私ゆかりの飼い主の怒李餡(ドリアン)といいます。今日はゆかりがお世話になってるお礼に言いに来ました。」 「すごいですよなずーりん!これゆんやぁ堂のカステラです!」 「こっちはカリスマパティシエの、アラサー手作りゆうかにゃん女体ケーキだよご主人!」 「喜んでもらえて嬉しいです。こっちは加藤さんへのプレゼントなのでお二人はお菓子を食べてください。」 怒李餡おじさんが帰った後で持ってきてもらった高級おかしに舌鼓を打つなずーりんとしょう。 満足している時、もう一つ持ってこられた大きなバックが動いていることに気づいた二匹。 恐る恐るバックのファスナーを開けると、中から大好きなお兄さんが汗だくで出てきた。 慌てて砂糖を溶かした水を飲ませることで、何とかお兄さんは復活させることに成功した。 後書き 風邪ひいてちょっぴり弱っているHENTAIあきです。 今回はガ板ゆっくりには何故か好かれているバキに出てくる加藤と愉快なゆっくりを書いてみました。 加藤は目からビームを出したり、ゆかりんの誘惑から逃げ続けるナイスガイです。 他にもこいしを買おうと思っててゐに石ころを買わされたり、ナズーリンが一面ボスで星蓮船をクリアしないと色々とネタにされてます。 作中のでいぶが巨大化したのは、某戦隊シリーズで怪人が巨大化する道具が芋ようかんだったのでそれのパロディです。 個人的にはゆっくりしょうはいつも泣いているイメージなんですよね。 そろそろネタが尽きかけているHENTAIあきでした。 以前書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 993 初めてのおつかい ふたば系ゆっくりいじめ 1003 寂れた神社で ふたば系ゆっくりいじめ 1014 ゆーパチ「ヒャッハー!虐待だぁ!」 ふたば系ゆっくりいじめ 1024 めーりんの憂鬱 ふたば系ゆっくりいじめ 1036 別れと出会い ふたば系ゆっくりいじめ 1043 夜の怪奇現象 ふたば系ゆっくりいじめ 1058 S計画 作られたゆっくりたち ふたば系ゆっくりいじめ 1072 胴付きへの進化 ぱちゅりーの場合 ふたば系ゆっくりいじめ 1080 違うありす ふたば系ゆっくりいじめ 1087 まりさ家出する ふたば系ゆっくりいじめ 1099 てんこを良い子にする方法 ふたば系ゆっくりいじめ 1108 きめぇ丸?いいえしゃめい丸です ふたば系ゆっくりいじめ 1144 別れと出会い まりさのトラウマ編 ふたば系ゆっくりいじめ 1155 ゆっくりスクール ふたば系ゆっくりいじめ 1159 ゆっくりの寿命 ふたば系ゆっくりいじめ 1165 ゆっくりクラブ ふたば系ゆっくりいじめ 1178 まりさひどい目に遭う ふたば系ゆっくりいじめ 1184 オレンジジュースを買いに ふたば系ゆっくりいじめ 1216 特異体質を持つ愛でお兄さん ふたば系ゆっくりいじめ 1233 新月の夜に HENTAIあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 巷で嫌われているハーレム展開だ!(しかも胴付きばかり) お兄さん的には大好物だけど一般論として、 「頭ン中にリリー・ホワイトでも飛んでいるみたいに幼稚な発想」とか言われてるな。 -- 2018-03-28 22 01 42 カーレンジャー懐かしいなぁ -- 2013-10-10 16 09 51 ナズーリンに萌えた -- 2011-11-18 21 22 20 ゆかりんの中身ってたしか納tやめておこう -- 2011-10-20 00 20 49 胴付きゆかりんだと!? ちくしょおおお!! -- 2010-12-30 04 44 23 ドリアン…サンドバッグなくなったのかな… -- 2010-12-10 23 38 52 続編希望 -- 2010-08-03 23 09 54 芋ようかんで巨大化、ってどこの宇宙暴走族だw -- 2010-07-21 22 08 27 刃牙の加藤なんだ……。原作と違って微笑ましい。 -- 2010-07-21 20 25 34 加藤ならば続編で独歩さんの克己さんのゆっくりから嫁探しを・・・妄想先走ってすいません!! -- 2010-07-09 01 06 05 なんて羨ましい世界だ。オレは生まれる世界を間違えた。 なず可愛いよなず… -- 2010-06-30 02 10 38 寸止めHENTAIとな・・・っ -- 2010-06-21 02 45 05 加藤!加藤じゃないか! -- 2010-06-09 04 33 32
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2527.html
注意! ※この作品にはゆっくりしか出てきません! ※作風柄、虐待描写はありません! ※賢いゆっくりが出ます! ある所に、広く資源に恵まれた島があった。そこは、周りが海に囲まれており、全くの無人。 そんな島にある日、数個の影が舞い降りた。 『『『『うー!うー!』』』』 うーぱっくである。運んでいたのはもちろん…… 『ありがとうね!うーぱっく!』 『おれいはそこにはえてるおやさいをもっていってね!!』 『ここはほんとうにとかいはなゆっくりぷれいすね!!』 内訳はゆっくりまりさ、れいむ、ありす、ぱちゅりー、みょん……ゆっくりである。 捕食種を除いたスタンダードな種がそれぞれ一匹ずつだ。 それぞれが、新天地を目の当たりにしてゆっくりしている。 彼女らは以前、他のゆっくり同様に山で暮らしていたが、人間による開発によって居場所を奪われてしまった。 そんな節に、先程のうーぱっく達に出会い、この島のことを聞き出したのだ。 『ゆゆ!まりさたちをそのしままでつれていってほしいんだぜ!!』 群れのリーダー格であるゆっくりまりさが頼むと、運ぶことが生きがいのうーぱっくである。 快く承ってくれた。そこは話に聞くよりも広く、食糧、寝床の洞窟、その他資源もろもろ……何一つ足りないものは無かった。 それに加え、何よりも魅力的なのが 『みてよまりさ!ここのしまはどすたちにまもられているよ!!』 『むきゅ!さいこうのゆっくりあいらんどね!!』 島は海岸、森、山から成っていた。今ゆっくり達がいるのは、山の頂上の開けた草原である。 そこの四方にそれぞれ祭壇の様なものがあり、そこにドスまりさを模した石造が建っていた。 こんな何から何までゆっくりのために設えた様な島だ。気に入らぬ者などいるはずもない。 『さっそくおうちをつくってゆっくりしようね!』 『きょうはいどうでつかれたから、あしたからたんけんするんだぜ!!』 リーダーまりさを筆頭に、補佐役のぱちゅりーなどが指示に当たった。すぐに巣の目処が立った。 この草原の四方、例のドス像のそばにそれぞれ一つずつ穴が開いていた。 入ってみれば、なんと穴は全て中で繋がっており、ちょうど草原の中央部に当たる場所まで開けている。 さらに驚くべきことは、地下であるにも関わらず外と変わらぬ草が同量生えている。 石造りの台座には、こんこんと清水を湛えている。 さらには燭台まであり、ヒカリゴケにより、優しい光に照らされている 雨水の侵入を防ぐ入口を塞ぐためのフタもある。 もうここだけで一生分ゆっくりできるんではないかという程の環境であった。 『ゆがーん!』 『ほっほんとうにすごいゆっくりぷれいすなんだぜ……』 『むっむきゅっきゅきゅきゅ』 反応の仕方はそれぞれ違えど、みんな初めて喜びの感動にショックを受けていた。 それからの生活はまさにゆっくり達の理想を絵にした様なものであった。 海のど真ん中にある島のため、天敵となる野生動物はいない。 食べ物である草や果物は無尽蔵に群生している。 何よりあの自然を破壊し、平穏を乱す人間がいないのだ。 唯一気掛かりがあるとすれば…… 『こんなにゆっくりしているのになんでどすはないているんだぜ?』 いつだったか、豪雨によって数日閉じ込められた時のことである。 もちろん、その間に不自由したことは無い。 元からある蓄えに加え、食糧をため込んでいたし、ゆとりを持っていた。 普段は震えて過ごすこの雨も、いまでは愉快で軽快な音楽に聞こえていた。 雨上がり、リーダーまりさが先立って外に出た。 その時に、ふとドス像を見るとなんと涙を流しているのだ。 当初は驚いたが、なんてことは無い。 像の帽子部に水が貯まるようになっており、鍔を伝って目から涙を流す様に見えているのだ。 見回ってみれば、四方の像の全てが泣いていた。 その涙は台座の隙間に吸収され、一種のダムとなっており地下の台座へと繋がっていることが後に分かった。 『このきをきってむすべばいかだになるんだぜ!』 『えだにはっぱさんをはればおーるになるわ!!』 ゆっくり達は生を謳歌し、すくすくと育ち、自然とのふれあいから知恵をつけた。 昨日は木と木を擦りつけて火を起こす道具を作った。その前は釣り竿。 そして今日はいかだを作った。少し島から離れた場所で釣りをし、収穫も上々だ。 明らかに、他の群れとは違う進歩の仕方をしている。 障害が極端に少ないため、全身全霊をかけてゆっくりすることが出来る。 もっとゆっくりしたい! こうすればゆっくりできるよ! むきゅ!このつたはべんりよ! どうぐをつくろうね! おりょうりをおぼえたわ! まらっ☆ちーんぽ!! それからもゆっくりし続け、だんだんと数を増やしていった。 比例するように文化が発達していき、今では生簀をつくり魚を保有するまで至った。 ゆっくりの寿命というのも、環境次第の様である。 第二世代、第三世代と続いても、最初の群れの誰一人欠ける事無く過ごしている。 ある日、リーダーまりさはドスまりさへと成長した。 『どすがいるかぎり、みんなをもっとゆっくりさせるよ!!』 まず手始めに、増えた仲間のために、森を切り開き、整地し、新たな巣を作った。 『ごはんももっとひつようになるね!』 うーぱっくに頼み、数個の羽化寸前の鶏卵を取り寄せ、家畜として飼い始めた。 『もっとべんりなどうぐをいっぱいつくろうね!』 獲物を確実に捕えるため、捕食種も撃退可能な武器を作った。 嵐が来ない限り、転覆しない遠泳漁の船を開発した。 もっともっと! まだまだ! さらにさらに! ………… ドスが思いつく限りのゆっくりを提供した。最早、自分が出来ることは見守るくらいだろう。 既に自分以外の第一世代ゆっくりは、みな天寿を全うした。あの若かりし頃が懐かしい。 そういえば、何で人間はあんなにゆっくりできない生き物なんだろう…… ドスまりさは海岸から夕陽を眺め、一方的な優越感に浸り、微笑みを湛えていた。 『どすももうつかれたよ』 ドスまりさはゆっくりとした生涯ここで終えた。 ゆゆ?どす~どこ~!? かいがんでねてたわよ? どすのぞうがあるんだぜ! うるさいな……どすをよぶのはだぁれ? あれ?うごけないよ? そうか、どすはしんじゃったんだね。 でもむれのみんながみえるよ。 こえもきこえる……みんな、もうすこしだけどすにみまもらせてね!! 第二世代のゆっくり達がドスの不在に気付いた。 それを受け、第三世代のゆっくり達が海岸で探していたところ、新たなドス像を見つけた。 みんなは直感的に、これが今まで自分達を導いてくれたドスであると分かった。 今までありがとうと礼を述べている。 『こんなところでのざらしにしていたら、どすがかわいそうだよ!』 『むきゅ!そうだわ!やまのうえのどすぞうにくわえてあげましょ!!』 『そうすればどすもゆっくりできるね!!』 そこで、ドス像をどう運ぶかが議論された。結果はすぐに出た。 まずは木を伐採し、ドス像が乗る程度の板を作り、それに乗せる。 それからまた木を伐り、“コロ”として板の下に入れては引っ張りを繰り返すという方法だ。 海岸から山頂の草原まではキッチリ整備されていたし、置く場所も四方のドス像の真ん中に決めた。 『『『ゆーしょ!ゆーしょ!』』』 『 おちびちゃん!はやくころをもってきてね!!』 『ゆっくちりかいちたよ!』 群れ総出で作業したおかげか、半日程で全ての工程を終えた。 結果は大成功! その後、みんなでこの日を何かの記念日にして、ドンチャン騒ぎした。 新たにリーダーとして任命されたのは、ぱちゅりー種である。 生前のドスから最も知識を受け継いだとされているからだ。 『むきゅ!どすのときとおなじようにすればしっぱいしないわ!!』 確かにやることは何から何まで真似ていた。 しかし、何か変じゃないか? どこかで間違えた!? いいやそんな訳が無い! ドスと同じことをしているんだ!! それからしばらくしてから、過ちに気付いた。 『どぼじできさんがぜんぜんないのぉぉぉおおお!?』 『くだものさんもみんななくなってるんだぜ!!』 『おながぢゅいだよぉぉぉおおお!!』 結果を言ってしまえば、島から植物という植物がごっそり無くなってしまった。 事の始まりは、ドス像を運ぶために大量の木を伐採したことから始まった。 以前までは、ドスが植物の再生するまでを計算したギリギリのラインで伐採していたのだ。 木材としての木が無くなれば、作物の木を代用し、食料の供給源を無くしていった。 漁に出よう! 船が故障してしまった。直すための材木はどこ? 狩りをしよう! 獲物となる動物はどこ? うーぱっくに頼んで運んでもらおう! 払う報酬は何? 八方塞がりとなって、ぱちゅりーは誤りに気付いた。 しかし、時すでに遅し。 『ごべんばざい゛い゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛!!』 『ゆ゛る゛じでぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!』 『どぼじでぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?』 『どずどおなじごどじだだげだのに゛ぃ゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛!!』 『ゆ!うるさいよ!!むのうなりーだーはしね!!』 『まえまえからいばってるおまえがきにいらなかったんだぜ!!』 『りぇいむをゆっくちちゃちぇにゃいむにょうはちんでね!!』 リーダーぱちゅりーとその家族は公開処刑された。 群れのみんなから投石の雨を浴びて、物言わぬ死体となった。 これで、群れの一応の溜飲は下がった。 しかし、それからは、殺伐とした生活が始まった。 『やめてね!そのにわとりさんとひよこさんはれいむのぶべぇぇええ!!』 『うるさいんだぜ!まりささまにたべられたほうがこいつらもしあわせなんだぜ!!』 自分の家族以外はみんな敵、戸締りをしていないと家畜を奪われた。 『ちょうどいいんだぜ!おまえのかぞくをまびきしてやるんだぜ!!』 『わがらにゃぁじゃべちゅびゅうぶうううう!!』 『ぢっぢんぼっぢんぼぉおおおおおおおおおおおお!!』 『ぺ~ろ♪ぺ~ろ♪しあわせ~なんだぜ!!』 間引きと称し、子供を殺されて食べる者。 『んほぉぉぉぉおおおおおおお!すっきりー!!』 『びっびやだぁああああ!!ずっき゛り゛ぃ゛い゛い゛!!』』 混乱に乗じて、己が欲望のままに動く者が現れた。 ものの三日間この阿鼻叫喚は続いた。 そこに残ったのは、たくさんの死体と一匹のゆっくりだ。 『どずぅぅはやぐばりざざまをだずげろぉぉ!ごのやぐだだずぅぅうう!』 生き残りのまりさは既に満身創痍、死ぬのも時間の問題だろう。 恐らくは、最後の力を振り絞って中央のドス像へと呪詛を吐いている。 ドスは像となってから、今までを一部始終全て傍観していた。 こいつらはなんだ? こんなのゆっくりじゃない! じゃあなに? まてよ……どっかで見たことがあるぞ…… そして一つの答えに辿り着いた。 そうか…… どすはじぶんでゆっくりをゆっくりできなくしてしまったのか…… そう解釈すると、空から水滴が落ちてきた。 ポツリ……ポツリ…… 『あべざん!?ふらだいでね!ゆっぐりやんでね゛!!』 パタ、パタ、パタ 『ふるだっでいっでるでじょ!?ばりざざばのいうごどが』 ザ、ザーザー 『ぼがど…がら…りざだげ…………』 バシャバシャバシャバシャ!! 『――――――――』 最後の生き残りの声が聞こえなくなった頃、残されたドス達は涙を流していた。 後書き どうもお久しぶりケラ子です。 以前スレを覗いたとき、シリーズものの風潮がよくないよう見えました。 だからと言うわけではないのですが、リハビリがてら新たに書き下ろしてみました。 何か作風の幅がありませんかね? ちなみに、この作品は、実在する島の話をモチーフにしました。 分かる人はいるのかなぁ…… byケラ子 ケラ子の作品リスト ゆっくりいじめ系509 紅い弾丸 ゆっくりいじめ系601 ある新人ゆっくりーだーの話(前編) 制 無 ゆっくりいじめ系647 ある新人ゆっくりーだーの話(後篇) 制 共 無 ゆっくりいじめ系711 ある植物型奇形妊娠の話 ゆっくりいじめ系748 ある動物型奇形妊娠の話 ゆっくりいじめ系807 あるロボットゆっくりーだー達の話(前編) ゆっくりいじめ系844 あるロボットゆっくりーだーの話(後編) このSSに感想を付ける